東京大学大学院法学政治学研究科・法学部

コラム1:ソーシャル・サポートについて

学習相談室

コラム1:ソーシャル・サポートについて

「ソーシャル・サポート」という言葉をご存じでしょうか。日本語で「社会的支援」と呼ばれることもあります。単純に言うと、人と人との支えあいのことです。ソーシャル・サポートには、大別して道具的サポートと情緒的サポートの2種類があります。道具的サポートというのは、問題を解決するために必要な資源を提供したり、その人が資源を手に入れることができるような情報を与えるような働きかけのことです。一方、情緒的サポートとは、勇気づけたり、同情したり、あるいは、ただそばにいてあげるというような情緒面への働きかけのことです。つまり、ソーシャル・サポートとは、普段の人間関係の中でのサポーティブなやりとりのことです。(この定義はトートロジーなので問題がありますが。。。)

 

様々な研究から、日頃の対人関係のあり方が、私たちの心身の健康と密接に関係しているらしいということがわかってきています。たとえば、ソーシャル・サポートによりストレスの健康への悪影響が和らげられるということや、人生上の危機に遭遇したときソーシャル・サポートが大きな役割を果たすということが指摘されています。

 

みなさんも、自分の身の回りの人間関係を振り返って考えてみると、家族、友人、先輩、恋人、などなどいろいろなところから、何気ないサポートを受けていることに気がつくかもしれません。ちょっとつまずきそうになったときに、声をかけてくれたり、励ましてくれたり、何か有益な情報をくれたり、あるいは解決に必要なものをくれるような人が周りにいると、ずいぶん心強く感じられることがあるでしょう。

 

あるいは、自分にはいざというときに助けになるような人間関係がないと思う人もいるかもしれません。焦ってサポーティブな人間関係を作ろうと思う必要はありません。そんなこともあるんだなということを頭の片隅に置いて、人と付き合ってみるというのはどうでしょうか。

 

(文章:高野)