事後評価結果
2008年12月19日、平成15年度に採択された全拠点の事後評価結果が公表されました。本拠点は下記の評価を受けましたのでここにご報告いたします。
◇21世紀COEプログラム委員会における評価

(総括評価)

 設定された目的は概ね達成された
(コメント)
 拠点形成計画全体については、国際シンポジウム、公開講座、研究会等の積極的な開催、研究叢書の刊行、ディスカッションペーパー論文の公表、ソフトロー総合データベースの公開、国内外に向けた十分な情報発信に加え、ソフトローという概念が広く社会に普及したことに見られるように、本プログラムが国内外の研究者、実務家に大きな影響を与え、ソフトローの実例を多数収集し、公開するという、世界的に例のない成果をあげており、本事業の目的は概ね達成されたと評価できる。
 人材育成面については、ソフトローの重要性や実際の在り方に関心の強い若手研究者を育成しており、相当程度の成果をあげたと評価される。しかしながら、課程博士号の授与数の面ではいまだ不十分であり、改善のための十分な制度的整備が行われているとは言い難い。
 研究活動面については、従来の法律学において十分には捉えられていなかった新たな研究アジェンダを明らかにし、法律学に新たな方法論を導入したことには大きな意義があり、ソフトローという研究分野を創成したことの功績は大きい。また、希少価値のあるデータを含む、幅広い研究成果の公表、従来の法律学の枠組みを超えた、経済学などの隣接諸科学の知見を導入した実証的アプローチによる研究の成果、大規模なソフトローデータベースの構築などは高く評価できる。ただし、中間評価において、多様な性格を有するさまざまな個別のソフトローを統合的視点からみるソフトローの実態分析に基づく基礎理論研究の一層の展開を期待したが、添付資料による限り、この面では十分な具体的な成果が提示されるまでには至っていないと思われる。
 補助事業終了後の持続的展開については、今後の研究方向とソフトロー総合データベースのアップデートの方針は示されているが、持続的展開のための具体的な方策は示されていない。

日本学術振興会HP 「21世紀COEプログラム」(平成15年度採択拠点)事後評価結果