連邦法令集には、2つのタイプがある。制定された法令をその会期順に収録している「法令全書型の法令集」と、現行法を分野別に収録している「六法全書型の法令集」である。
U.S. Statutes at Large〔Stat.〕(1789+)※は、連邦議会において制定された法令をその会期順に収録している法令集であり、いわゆる法令全書型の法令集である。これは公式法令集としての性格を有しているが、刊行が非常に遅い。そこで、最近の法令を探す必要がある場合には、同じ法令全書型の法令集で民間の出版社が出している、U.S. Code Congressional and Administrative News〔U.S. Code Cong.&Ad. News〕(1941+)※を見ることとなる。
United States Code Annotated〔U.S.C.A.〕※は、いわゆる六法全書型の法令集であり、現行連邦法を、憲法その他、50の分野に並べ替えているものである。例えば、議会を通った一つの予算法が、教育、労働、社会福祉に関連し、さらに違反者に対する罰則規定が付いていたとすると、一つの法律が、教育、労働、社会福祉、および刑事分野に分類されて掲載されることになる。民事訴訟規則や刑事訴訟規則は裁判所によって制定されるものであるが、議会制定法と同様、この法令集に掲載されている(法令集の出版後に法改正があった場合には、その改正された部分について、各巻の最後の部分に挟み込まれた補遺に掲載されるので、これを確認する必要がある。この点は、以下の州の法令集についても同様である)。なお、現行連邦法を分野別にした正式な六法全書型の法令集は、United States Code〔U.S.C.〕であるが、U.S.C.A.との違いは、U.S.C.A.には注釈が付いているという点だけで、両者の構成は同じである。したがって、両者を読み替えて差し支えない。
連邦規則については、Code of Federal Regulations〔C.F.R.〕※と呼ばれる六法全書型のものと、Federal Register〔FR〕(1988+,マイクロフィッシュで1989年から購入)※という法令全書型のものがある。
当センターには50州全てにつき、法令全書型と六法全書型の2種類の法令集がある。
法令全書型の法令集については、1775年頃からマイクロフィッシュで所蔵している。
「六法全書型法令集」※(West's annotated California codes,McKinney's consolidated laws of New York annotatedは継続中)
六法全書型の法令集については、各州によって若干構成等に相違がある。しかし、いずれも巻末のキーワード索引で探したい条文を特定できる。
各州法に関連して付け加えると、アメリカでは統一州法というものが策定されており、これらを収録したものとして、Uniform Laws Annotated〔ULA〕※という資料がある。Uniform Commercial Code (UCC;統一商事法典)などは、これで探すことができる。
連邦では、次のような審級別の判例集がある。
連邦最高裁判所の判例集としては、United States Supreme Court Reports〔U.S.〕(1759+)および Supreme Court Reporter〔S.Ct.〕(1882+)※が最もよく利用される。U.S.は1818年以降公式判例集となっているが、民間版のS.Ct.との違いは、S.Ct.には判決本文の他に若干のサービスが付いているという点だけであり、判決本文の内容に差異はない(当センターでは、U.S.の193号以降(1903年)から、刊行の早いS.Ct.切り替えられている)。U.S.の引用しか分からない場合には、S.Ct.の背表紙でU.S.リポーツの何巻から何巻までに当たるということを確認した上で、各巻の最初の対照表で頁を特定することができるようになっている。なお、最高裁の判決で最も早く到着する資料は、U.S. Law Week〔USLW〕(1964+)※というルーズリーフ式のものである。
連邦控訴裁判所の判例集としては、Federal Reporter〔F.〕(1880+)がある。また、1932年以後の連邦地裁の判例の一部は、Federal Supplement〔F.Supp.〕(1932+)※に掲載されている。
裁判所の判決ではないが、当センターでは、Federal Trade Commission(FTC;連邦取引委員会)、Securities and Exchange Commission(SEC;証券取引委員会)、あるいはNational Labor Relations Board(NLRB;連邦労働関係局)等の審決を集めた審決集も一部所蔵している。
「各州裁判所判例集」※(West's north eastern reporter.Second seriesと West's Pacific reporter.Third seriesは継続中)
当センターでは、各州の公式判例集はごく古いもののみを所蔵している。そして、およそ1880年頃からの判例については、50州を7つのブロックに分けて判例を掲載する民間の判例集(いわゆる、ウエスト社のナショナルレポーターシステム)を所蔵している(Atlantic Reporter〔A.〕(1886+)※,North Eastern Reporter〔NE〕(1885+), North Western Reporter〔NW〕(1879+)※,Pacific Reporter〔P.〕(1883+),Southern Reporter〔So.〕(1887+)※,South Eastern Reporter〔SE〕(1887+)※,South Western Reporter〔SW〕(1886+)※の7つ)。この判例集では、それぞれのブロックに含まれるほぼ全ての州の最高裁判決、および下級審判決の一部が掲載されている。
判例検索に便利なツールとして、American Digest,American Jurisprudence 2d,Shepard's Citationの3つの資料を紹介したい。
American Digest※は判例要旨集であり、連邦と州のいずれの判例でWest社が出している判例集(上述のS.Ct.やナショナルレポーターシステムの判例集など)に掲載されている各判決の要旨が主題別に分類され、従来は10年ごとに、最近では5年ごとにまとめられている。その主題分類にはkey-number system と呼ばれる判例分類システムが採用されており、West社の刊行物で同種の判例を横断的に検索する手がかりとなっている。各シリーズの最後に当事者索引がついており、探したい判例の当事者名が分かっている場合には、この索引によってサイテーションを調べることが可能である。
American Jurisprudence 2d※は法のあらゆる分野について詳しい説明をした大項目主義のエンサイクロペデイアであり、上記判例要旨集に類似した400以上の大項目がアルファベット順に配列されている。各項目のはじめにその概要がまとめられ、ついで法律上の原理・原則を記述する本文部分が続いており、その分野における法を手っ取り早く発見することができる。なお本文では数多くの脚注が付けられており、本文の記述を補強する多くの判例が引用されており、判例検索の手がかりを得るための道具としても重要な価値を有している。
Shepard's Citation※ は、判例の変遷を厳密にフォローするための書物である。これを見ることにより、当該判決が上訴審で破棄されたりしていないか、また判例としてどれくらい重要視されているかを知ることができる。判例法主義を採用するアメリカ法にとって、判例の現在の拘束力・説得力の確認を助ける重要なツールの一つである。
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法令集には、2つのタイプがある。法令をその制定順に収録している「法令全書型の法令集」と、現行法を分野別に収録している「六法全書型の法令集」である。
法令全書型のもので、マグナカルタが制定された1225年から1713年までの法令を掲載している正文の法令集としては、Statutes of the Realm〔Stat. Realm〕(1225-1713)という資料がある。また、[Pickering's]Statutes at Large〔Pick. Stat.〕という法令集(1225-1869)もよく利用される。ただし、1962年までは、法律の正式な引用方法が、国王○○の治世第○年の議会で制定された法律第○号という形であり、これらの資料はこの方法に従っている。したがって、例えば、1535年のユース法は、西暦1535年では見つからず、27 Hen.8 c.10,すなわちヘンリー8世の治世第27年のchapter 10を探すこととなる。比較的新しい時期のもので権威ある法令全書型の法令集としては、Law Reports: Statutes (1866+)がある。これは、1866年以降のものについても西暦で調べることができるので便利であるが、若干刊行の遅れがあり、これを補うためには、Current Law Statutes Annotated(1963+)という民間版法令集の巻末に付いているサービスファイルを利用にすることとなる。
六法全書型法令集としては、ホルズベリー社から出ている[Halsbury's]Statutes of Englandがある。どの法律がどの巻(50の分野別)に含まれているかについては、巻末のキーワードインデックスで調べることとなる。なお、イギリスの規則集としては、同じホルズベリー社の[Halsbury's]Statutory Instruments(1947+)※という資料があるが、掲載されているのは主要な規則の抜粋のみとなっている(1997年以降の規則はhttp://www.hmso.gov.uk/stat.htm において見ることができる)。
1220年から1865年までの古い判例については、English Reports〔Eng.Rep〕(1220-1865)という判例集が最もよく利用される。この判例集は当事者名索引が完備しているので便利である。1865年以降の判例については、いくつかの判例集が並行して存在するが、中でも、裁判官の校閲を経ており、また、法廷ではこれのみが引用されるという点で、Law Reports〔L.R.〕(1865+)※が最も信用が高いと思われる(裁判所の構成に従って、Appeal Cases〔A.C.〕, Chancery〔Ch.〕,Family〔Fam.〕,Queen's Bench〔Q.B.〕等のシリーズに分かれている)。この判例集の利点は、項目ごとに判例要旨を集めたダイジェストや当事者名索引が付いており、また、現代にまで続いていて一貫して使えるという点である。
判例検索のツールとしては、Current Law: Yearbook 〔C.L.Y〕(1947+)やCase Citator (1947+)等があり、当事者名と年代のみが分かっている場合には、これらの資料からその判決がどの判例集に掲載されているのかを特定することが可能である。
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法令集には、2つのタイプがある。法令をその制定順に収録している「法令全書型の法令集」と、現行法を分野別に収録している「六法全書型の法令集」である。
フランスの総合法律雑誌では立法・判例・論説の3部構成がとられており、法令全書型の法令集としては、主に次の3種類の雑誌が使用される。Recueil Dalloz 〔D.〕(1845-1964) (1998+)[ただし1965-1997年の間はRecueil
Dalloz Sirey 〔D.S.〕]はその第3部が立法(legislation)、Semaine juridique (Juris-Classeur
periodique)〔J.C.P.〕(1927+)※はその第3部が法令(textes de lois)、さらにGazette du Palais〔Gaz.Pal.〕(1881+)もその第3部が立法(legislation)である。これらの雑誌は、年ごとに、部門別にまとめ直して(1冊または数冊に分けて)製本されている。
法令を検索する際に、その制定年月日が分かっている場合には、年代順検索によって掲載ページを知ることができる。また制定の日付が分からない場合には、事項索引を利用していくつかの可能性を絞った上で具体的に法令に当たり確認するという作業を行う必要がある。なお、これらの雑誌に掲載されるのは重要な法令に限られ、そこに収録されていない法令を調べるためには、官報Journal
officiel de la Republique francaise 〔J.O.〕Lois et Decrets を参照する必要がある。
また、古法については、420年から1789年までの主要法令がIsambert ed., Recueil des anciennes lois 29巻に掲載されており、さらに中間時代の法令集としては、Duvergier
ed., Collection complete de lois, decrets et ordonnances (1788-1950) があり、1788-1939年まで所蔵されている。
六法全書型の法令集としては、以下の2つの法令集が利用される。まず、Petits Codes Dalloz シリーズであるが、これは民法・商法・会社法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法・労働法・社会保障法・行政法・租税法等の主要法令分野ごとに刊行され、各分野の法典の規定とその関連法令および主要判例の案内が収録されているものである。それぞれの分野の現行法の全体をうかがい知ることができて非常に便利である。またJuris-Classeurs; Codes et lois; Droit public et droit prive (1566+)は、全分野にわたって主要法令が収録され、差し換え式で常に現行法令が参照できるようになっている。
判例の内容を知るためには、公の刊行物である公撰判例集を利用する方法と法令の検索方法の部分で紹介した法律雑誌を利用する方法がある。
公撰判例集に関しては、以下のようなものがある。まず、司法裁判における最高裁判所である破毀院の民事および刑事判例集としては、それぞれ、Bulletin des arrets de la Cour de cassation: Civile〔Bull.civ.〕(1792+)およびCriminelle〔Bull.crim.〕(1798+)が存在する。これは破毀院自身が公表を決定した判決を収録する判決集であり、全判決が収録されているわけではないが、重要であることには変わりない。次に、行政裁判に関する最高裁判所であるコンセイユ・デタの判例集としては、私撰ながら公撰に準ずるものとしてRecueil
des arrets du Conseil d' Etatがあり、編纂者の名前をとってルボン判例集(Recueil Lebon)と呼ばれる。1824年以降のコンセイユ・デタおよび権限裁判所の主要判決と1954年以降の第一審行政裁判所の重要判決を収録している。また、憲法裁判所にあたる憲法院の判決を検索する場合には、その公撰判例集であるRecueil
des decisions du Conseil constitutionnel〔R.D.C.C.〕(1958+)を利用する。
なお、憲法院に関しては、違憲立法審査関係の全裁決を専門家が一冊に編集した書物 Louis Favoreu (reunies par), Recueil de
jurisprudence constitutionnelle 1959-1993: Decisions DC-L-FNR-I du Conseil
constitutionnel, 1994 ; Supplement, 1994-. があり、便利である。
私撰判例集としては、前述の法律雑誌であるSirey, Dalloz, Semaine juridique※,
Gazette du Palaisの判例集部分がこれに該当し、重要判決には評釈が掲載されている。まず、Recueil Sirey〔S.〕(1791-1964)には、1791年より判決が収録されている。最初の6巻には1791-1830年の判決が年代順に掲載されており、1831年以降は、第1部で破毀院判決が、第2部で下級審判決が、そして第3部でコンセイユ・デタ判決が掲載されている。次にRecueil
Dalloz〔D.〕(1845+)は、1845年より判決が収録され、1940年までは上述のSireyと類似の構成が採用されていたが、1941年以降は、時論的論文、判例および法令の3部構成となった。その判例の部には行政・司法裁判所の重要判例が下級審も含めて収録されている。さらに、Gazette
du Palais〔Gaz.Pal.〕(1881+)はその第1部が学説、第2部が判例、第3部が法令という構成をとり、1881年より判例が収録されている。最後にSemaine
juridique (1927+)※についてであるが、これは通常、J.C.P. (Juris-Classeur periodique)として引用される。1927年より刊行されており、第1部学説、第2部判例、第3部法令という3部構成をとるものである。
これらの雑誌で判例を検索する場合には、その年間の索引を利用する。まず、裁判所と判決年月日が分かっている場合には、年代順索引を利用してその掲載頁を知ることができる。また、ある年度に判決されたことが分かっているがその日時まで正確に分からない場合には、事項索引を用いてある程度判例を絞り込み、実際に確認するという作業を行う。さらに、当事者名が分かっている場合には、当事者索引を利用して掲載頁を探り当てることができる。
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法令集には、2つのタイプがある。法令をその制定順に収録している「法令全書型の法令集」と、現行法を分野別に収録している「六法全書型の法令集」である。
まず戦前までの法令については、法令全書型法令集を利用することができる。Grofend, Gesetzgebungs-Material (1806-1940) は1806年からプロイセン法を収録し、また北ドイツ連邦、ドイツ帝国成立後は、北ドイツ連邦ないしライヒの法令をも収録している。1871年ドイツ帝国成立後は、ライヒの法令については、Reichsgesetzblatt 〔RGBl.〕(1867+)という官報により知ることができる。なお、これは1922年より第1部法律および法規命令と第2部条約・国際協定・ライヒの予算等の2部構成となり、戦後の官報でもこれが踏襲されることとなった。戦後の米英仏ソ4カ国の管理委員会が制定した管理委員会法については、Amtsblatt des Kontrollrats in Deutschland (1945-1948)に収録されている。
1949年のドイツ連邦共和国成立後の連邦法令については、官報であるBundesgesetzblatt 〔BGBl.〕に掲載されている。法令や法規命令が搭載される第1部は1949年から、条約・国際協定・連邦予算等が搭載される第2部は1951年から刊行されている。また行政命令や公告はBundesanzeiger〔BAnz.〕(1950+)に掲載されている。なお、連邦法のみならず州法までも掲載するものとして、Sammelblatt fur Rechtsvorschriften des Bundes und der Lander〔SaBl.〕(1950+)※をあげることができる。
六法全書型の法令集に関しては、まず加除式の詳細な連邦の法令集として、Das Deutsche Bundesrecht; Systematische Sammlung(1949+)があげられる。また、よく利用されるものとして、Beck社から出されている加除式の Schonfelder; Deutsche Gesetze※およびSartorius; T Verfassungs und Verwaltungsgesetze※, U Internationale Vertrage Europarecht※をあげることができる。前者は、民刑事法と手続法の分野より重要な連邦法を選び掲載しており、後者は、第1巻がドイツ連邦の憲法・行政法、第2巻がヨーロッパ共同体の法に分かれている。
州の法令をも含む法令全書型法令集としては上述の、Sammelblatt fur Rechtsvorschriften des Bundes und der Lander〔SaBl.〕(1950+)※をあげることができる。
当センターでは以下の州に関する加除式の六法全書型法令集が所蔵されている。Baden-Wurttemberg, Bayern, Berlin, Brandenburg, Hessen, Mecklenburg-Vorpommern, Niedersachsen, Nordrhein-Westfalen, Rheinland-Pfalz, Saarland, Sachsen-Anhalt, Schleswig-Holstein, Thuringenの各州である。
戦前の判例に関して、特にドイツ帝国成立前の判例については、1866年に刊行されたArchiv fur Entscheidungen der obersten Gerichte in den deutschen Staaten (Seufert's Archiv)(1866-1921)という判例集によりドイツ各邦の上級裁判所の判例を概観することができる。また、1879年ライヒ最高裁判所が設立されるが、その判例集としては、Entscheidungen des Reichsgerichts; in Strafsachen〔RGSt〕(1880-1944)およびin Zivilsachen〔RGZ〕(1880-1945)がある。前者は、刑事事件に関する判例集であり、後者は、民事事件に関する判例集である。
戦後のドイツ連邦共和国の判例について以下に述べる。
ドイツ連邦共和国の裁判権は通常裁判権、行政裁判権、財政裁判権、労働裁判権、社会裁判権の5系列に分かれており、それぞれ最高裁判所は連邦の裁判所、下級裁判所は州の裁判所とされている。まず通常裁判権の終審裁判所である連邦通常裁判所の判例集としては、民事判例集のEntscheidungen
des Bundesgerichtshofes; in Strafsachen〔BGHSt〕(1951+)および刑事判例集のEntscheidungen
des Bundesgerichtshofes; in Zivilsachen〔BGHZ〕(1951+)がある。高等裁判所の民事判例集としては、Entscheidungen
der Oberlandesgerichte in Zivilsachen〔OLGZ〕(1965-1994)があるがこれは1994年で終了した。その後の判例に関しては、高等裁判所判例に限定されないが、Neue
Juristische Wochenschrift- Rechtsprechungs Report〔NJW-RR〕に重要な民事判例が掲載されている。なお、バイエルンの高等裁判所である州最高裁判所(Oberstes
Landesgericht)は連邦法の適用が問題とならない限り民事事件の最終審であり、その意味でこの裁判所の民事判例集Entscheidungen des
Bayerischen Obersten Landesgerichts; in Strafsachen〔BayObLGSt〕(1949+)は比較的重要である。高等裁判所の刑事判例集としては、Entscheidungen
der Oberlandesgerichte in Straf- und Strafverfahrensrecht〔OLGSt〕(1964+)があるがこれは1994年に終了し、Entscheidungen
der Oberlandesgerichte in Strafsachen und uber Ordnungswidrigkeiten〔OLGSt〕に代わった。高等裁判所判例に限定されないが、Neue
Zeitschrift fur Strafrecht-RR〔NStZ-RR〕には重要な刑事判例が掲載されている。また1995年より家事審判事件につき、Praxis
der freiwilligen Gerichtsbarkeit〔FGPrax〕(1995+)の刊行が開始された。
さらに、ドイツ連邦共和国の裁判権は、上述の通常裁判権に加えて、労働裁判権、社会裁判権、財政裁判権、行政裁判権の5系列に分かれるが、後者4者の最終審連邦裁判所の判例集として、それぞれ連邦労働裁判所判例集Entscheidungen
des Bundesarbeitsgerichts〔BAG〕(1954+)、連邦社会裁判所判例集Entscheidungen des
Bundessozialgerichts〔BSG〕(1956+)、連邦財政裁判所判例集Sammlung der Entscheidungen und
Gutachten des Bundesfinanzhofs〔BFG〕(1920+)、連邦行政裁判所判例集Entscheidungen des
Bundesverwaltungsgerichts〔BVerwGE〕(1953+)がある。
以上に掲げた判例集のほかに、各種の法律雑誌にも多数の重要判例が掲載される。その中でも特に、Neue Juristishce Wochenshcrift〔NJW〕(1953+)※およびJuristen-Zeitung〔JZ〕の2つが一般的によく利用される。
最後に、ドイツ連邦共和国では憲法問題につき判断を下す権限を与えられた連邦憲法裁判所と州の憲法裁判所が存在する。連邦憲法裁判所の判例集として、Entscheidungen
des Bundesverfassungsgerichts〔BVerfGE〕(1952+)がある。