東京大学大学院法学政治学研究科・法学部

第20回学習セミナー(5月23日)を開催しました。

お知らせ

第20回学習セミナー(5月23日)を開催しました。

2019/06/04

5月23日(木)午後5時より、法文1号館22番教室において「第20回法学部生のための学習セミナー」が開催されました。講師には、角奈都子氏(総合法政専攻博士課程・国際法専攻)、齋藤崇治氏(総合法政専攻博士課程・アメリカ政治外交史専攻)、松本望氏(法科大学院3年)をお招きしました。

学習相談室運営委員長の伊藤洋一教授の冒頭挨拶のあと、角氏、齋藤氏、松本氏の順にお一人30~40分ずつ講演して頂き、その後、三氏が壇上に並んで全体での質疑応答を行いました。

角氏は、もともとは世の中の仕組づくりに興味があり、公務員志望だったが、3年生の夏学期に国際法ゼミに参加したことがきっかけで、法学の奥深さや国境を越えた課題に関わることの面白さに目覚め、研究への興味が湧いてきた、と話されました。そして、法学の面白さがわかってくると勉強の仕方も変わってくるので、まずはゼミに出てみることを推奨する、ゼミに出ると、学問自体の面白さに触れられることに加え、友達ができるというメリットもあると指摘されました。また、勉強するときには、何でもいいので、ひとつのことをじっくり勉強してみること、その際、体系や全体像を把握することの重要性を強調されました。

角奈都子氏

 

齋藤氏は、4年生の夏まではボート部中心の生活を送り、就活もしたが、官庁訪問で失敗したため1年留年して修士課程に進学した経験を踏まえ、サークルで忙しい中で単位を取る勉強法と、優を取るための勉強法とに分けて話されました。単位を取るためには、教科書を3周すること、試験前日はよく寝て論理を意識した答案を書くことを指南されました。優をとるためには、教科書を7周すること、参考文献を読むこと、Oxford Handbookをダウンロードして読むことを推奨されました。また、理解を深めるためにはリサーチペーパーを書くことを勧め、その効用として、就活でのアピールになることに加え、学部生時代に得た問題関心は一生の宝になると指摘されました。さらに、修士課程での研究生活について、学振の申請の仕方や、博士課程に進む前に考えておくべきこと等についても話されました。

齋藤崇治氏

 

松本氏は、理科1類から法学部に進学し、首席で卓越賞を受賞した経歴を自己紹介されたあと、勉強方法の総論として、常に自分が今何を勉強しているのかという体系的な位置づけを意識することの重要性を強調されました。次に講義の聞き方として、民法94条2項の類推適用などを例に、問題提起と要件効果論に着目することの重要性を指摘されました。さらに、自主学習の方法を、憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法など、科目別に学問の特徴や留意点を指南されました。さらに、法学部での過ごし方として、友達を作ること、学生生活をきちんと謳歌することの大切さを話されました。最後に、法科大学院の紹介をしたあと、つらいときはしっかり休息をとり、友人や先輩を頼ったりしながら法学部生活を乗り越えるようアドバイスをして締めくくられました。

参加者のアンケートからは、「具体的な学習方法が聞けて良かった」「疑問点が色々解決しました。本当にありがたかったです」「様々な所属の人から話を聞くことができ、ためになりました」など、肯定的な回答が多数寄せられました。