東京大学法学部・大学院法学政治学研究科
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概要 入学希望者 在学生 卒業者・修了者
在学生
法科大学院

東京大学法科大学院概要

1.法科大学院の目標
2.東京大学法科大学院の法学教育の特色
3.法科大学院の組織
4.法科大学院の教員組織
5.収容定員及び在籍者数
6.入学者選抜に関する基本的な考え方
7.教育課程
8.学習環境
9.学費及び奨学金等の学生支援制度

1.法科大学院の目標

 国立大学法人東京大学が設置する法科大学院は、国民や社会に貢献する高い志と強い責任感・倫理観を持ち、国際的にも、また先端分野においても活躍できる高い水準の法律家を生み出すことを目標としています。単に新司法試験に合格することを目指すのでなく、むしろ法実務の遂行や法律家のキャリアの発展において、東京大学の法科大学院での学習が血となり肉となって役立つような、長期的視野からの教育を行うことを目指しています。さらに、博士課程に進学し、日本の法学研究の将来を担う人材も育てます。

2.東京大学法科大学院の法学教育の特色

 東京大学の法科大学院における教育の特色は、次の3点にまとめられます。

 第1は、「法律家としての基幹能力」の育成です。法制度を所与のものとして学生に吸収させるのではなく、制度の背後にまで立ち入って深く理解し対処できる理論的バックボーンを形成させることを重視します。「法のパースペクティブ」や「現代法の基本問題」といったこれまでの学部教育や他の法科大学院には見られない基礎法学的な科目を重視しているのも、そのためです。これによって、法的問題を鋭く発見し、自分なりの発想で解決する創造的な能力を身につけることが可能になります。
 第2は、「国際的問題への対応能力」の育成です。現代社会における様々な面での国際化に対応することは、現代の法律家にとって必須の能力であるといえます。こうした認識に立ち、多彩な国際関係法科目・外国法科目を提供しています。TV中継を用いて海外のロースクールと共同で国際契約交渉を実践する授業、コロンビア大学やミシガン大学など有力ロースクールとの教員交換プログラムに基づくアメリカのロースクール教授によるアメリカ法の各種授業、アメリカ法などを対象とし英語で集中的に授業を行うサマー・スクールなどが行われます。さらに、東アジア法、ヨーロッパ法の授業やシンポジウムなど国際交流プログラムも行っています。
 第3は、「多様な人材」の育成です。一方で、現代のビジネスの最先端で活動できるだけの能力を持ったビジネス・ローヤーを育成することは、東京大学の法科大学院が特に力を入れている点です。専門的・先端的知識の提供とそれを応用する能力の育成のために、倒産法・知的財産法・国際私法・労働法・租税法・経済法などのビジネス・ロー科目を選択必修科目にしています。他方、市民の悩みを理解する市民生活ローヤーの育成にも力を注いでいます。雇用関係法(労働法、社会保障法)、消費生活に関する法(消費者法)、生活環境に関する法(環境法)、少年非行に関する法(少年非行と法)など幅広い授業を提供して、社会に貢献しようという高い志を持った法律家の育成を目指します。

3.法科大学院の組織

 東京大学法科大学院は、東京大学大学院法学政治学研究科に属しています。本研究科に、総合法政専攻と法曹養成専攻の2つの専攻が置かれており、法曹養成専攻が法科大学院に当たります。研究科全体の組織については、研究科ホームページ(http://www.j.u-tokyo.ac.jp)をご覧ください。

4.法科大学院の教員組織

 教員及び担当科目一覧は 法科大学院ホームページ(http://www.j.u-tokyo.ac.jp/sl-2/index.html)をご覧ください。

5.収容定員及び在籍者数

 入学定員240名(法学未修者75名、法学既修者165名)

 在籍者数(別紙)

6.入学者選抜に関する基本的な考え方

 入学者選抜は、募集要項に記載の方法で行います。
 入学選抜に当たっては、本法科大学院の目標として掲げる「法律家としての基幹能力」の育成、「国際的問題への対応能力」の育成、及び「多様な人材」の育成という観点から、募集要項の掲げる各審査対象資料に基づき、本法科大学院の法曹養成教育を受けるのに相応しい能力を有するかどうかを総合的に判定するものとします。選抜は、公平性・開放性・多様性に配慮して行いますので、本学法学部卒業者のみではなく、他大学の卒業生、理系をはじめとする多様な勉学経験や社会人としての貴重な経験を持つ者など様々なバックグラウンドを持つ学生が入学することを期待しており、受入予定人員の概ね3割は、社会人経験のある者及び理系その他他学部出身者が占めることを目安としています。

 入学者数(別紙)

7.教育課程

7−1.授業科目の種類

 法曹養成専攻では、約100科目の授業を開講しますが、これらは、以下の4つの科目群から成り立っています。

(1)法律基本科目(公法系科目、民事系科目、刑事系科目)
 (i)1年次に法律学の基礎を身につけさせるための「基本科目」シリーズ9科目及び身につけた基本の定着を図る基本科目演習5科目、(ii)2年次・3年次の学生を対象に、より高度で総合的な応用力を習得させるための授業を提供する「上級」シリーズ8科目(平成23年度以降に2年次に在学する学生は9科目)、そして、(iii)基本をマスターした学生に対する公法系・民事系のより特化した分野を素材にした授業で、基本的法律教育から先端・融合的法律教育への効果的連携・展開を図ることをねらいとする「公法総合」及び「民事法総合」という総合科目から構成されています。平成24年度以降に3年次に在学する学生については、「公法総合」及び「民事法総合」は基本科目としては開講されません。代わって「公法訴訟システム」が3年次の必修科目となります(なお、現在の「公法総合」「民事法総合」の科目は平成24年度以降、廃止される「債権回収法」及び「現代契約法論」を除き、展開・先端科目として開講されます)。

(2)法律実務基礎科目
 研究者教員と実務家教員との連携・共同の下に、実務の基本的な流れを理解させた上で、法律基本科目において習得した法理論が実務においてどのように運用されるのかを体得してもらうことにより、実務と理論の架橋を図ることをねらいとするものです。

(3)基礎法学・隣接科目
 最先端の分野で生起する新たな法的諸課題に対応し、また、必要に応じて大胆な制度改革をも提言することのできる理論的なバックボーンをもった法曹となるために必要だと考えられる科目です。法を多面的・多角的に把握する能力の涵養をねらいとする「法のパースペクティブ」、及び、法の根底にある思想・哲学と現代法の課題とを接合する「現代法の基本問題」という二つの必修科目のほか、視野の広い法曹の養成を目指した多様な科目が開設されています。

(4)展開・先端科目
 専門的・先端的知識と応用能力を必要とするビジネスローの優れた実務法曹を育成するためのビジネスローの各科目や国際的法律問題を取り扱う科目をはじめ、先端的・応用的な科目が多数開設されています。

 これらの科目は、配当年次・学期が定まっていますので、必修、選択必修、選択の別を踏まえつつ、各自の関心に応じて、計画的に履修することが必要となります。

7−2.授業科目及び配当年次一覧

 別表1を参照してください。

7−3.修了要件

(1)標準修業年限
 標準修業年限は3年間です。ただし、法学既修者として入学を認められた学生については、2年間での修了が可能です。

(2)修了要件
 法曹養成専攻を修了して「法務博士(専門職)」の学位を得るためには、修了に必要な単位を修得しなければなりません。これに加え、法科大学院の制度趣旨から、学生は広い範囲にわたって確実な知識と能力を習得することが必要だと考えられますので、必修科目及び選択必修科目を指定しています。
 具体的には、以下の要件を充たして必要な数の単位を修得することが修了の要件となります。

※入学年度、進級年度により必要な単位数が異なるので注意してください。

【平成21年度以前の入学者で、平成22年度に2年次の学生】
○修了に必要な単位数
 修了に必要な単位数は93単位です。ただし、法学既修者として入学を認められた者は、1年次の必修科目のうち法曹養成専攻教育会議が指定する30単位について修得済みとみなされます。
 したがって、入学後修得が要求される単位数は、それぞれ以下のとおりとなります。
    法学未修者として入学を認められた者 93単位
    法学既修者として入学を認められた者 63単位
○必修科目・選択必修科目とその単位数[別表1 参照、但し基本科目演習の5単位は除く。]
<必修科目  66単位>
 (ただし、法学既修者として入学を認められた者については、1年次の必修科目のうち法曹養成専攻教育会議が指定する30単位―具体的には、基本科目憲法、基本科目行政法、基本科目民法1、基本科目民法2、基本科目民法3、基本科目商法、基本科目民事訴訟法、基本科目刑法、基本科目刑事訴訟法の単位―を修得済みとみなされます。)
 なお、上級商法1、上級商法2、法のパースペクティブ、現代法の基本問題は、それぞれの科目群の中から1科目を選択して履修することになります。
 また、公法総合および民事法総合は、それぞれの科目群の中から1科目以上を選択して履修することになります。
<選択必修科目>
(i)倒産法、知的財産法、国際私法、労働法、租税法、経済法、英米法総論のうちより4単位以上
(ii)模擬裁判、民事弁護研究、民事事実認定論、法律相談クリニック、法と交渉、国際契約交渉、倒産処理研究、リサーチペイパーのうちより2単位以上
(iii)国際法、国際人権法、国際経済法、国際租税法のうちより2単位以上(ただし、入学前に国際法科目を未履修の者は、国際法を履修することを強くすすめる。)
(iv)別表1 法曹養成専攻授業科目表の4展開・先端科目群の中から12単位以上
※平成20年度以前に法学未修者として入学し「基本科目法学入門」の単位を修得済みの者は、当該科目について修了要件に含まれます。

【平成22年度以降の入学者及び平成21年度以前に未修に入学した者のうち平成22年度に1年次の学生】
○修了に必要な単位数
 修了に必要な単位数は98単位です。ただし、法学既修者として入学を認められた者は、1年次の必修科目のうち法曹養成専攻教育会議が指定する35単位について修得済みとみなされます。
 したがって、入学後修得が要求される単位数は、それぞれ以下のとおりとなります。
    法学未修者として入学を認められた者 98単位
    法学既修者として入学を認められた者 63単位
○必修科目・選択必修科目とその単位数[別表1 参照]
<必修科目  71単位>
 (ただし、法学既修者として入学を認められた者については、1年次の必修科目のうち法曹養成専攻教育会議が指定する35単位―具体的には、基本科目憲法、基本科目行政法、基本科目民法1、基本科目民法2、基本科目民法3、基本科目商法、基本科目民事訴訟法、基本科目刑法、基本科目刑事訴訟法、基本科目演習の単位―を修得済みとみなされます。)
 なお、上級商法1、上級商法2、法のパースペクティブ、現代法の基本問題は、それぞれの科目群の中から1科目を選択して履修することになります。
 また、平成23年度以降に2年次在学する学生からは別表1に記載されていない上級民法2、公法訴訟システムを履修することになります。
<選択必修科目>
(i)倒産法、知的財産法、国際私法、労働法、租税法、経済法、英米法総論のうちより4単位以上
(ii)模擬裁判、民事弁護研究、民事事実認定論、法律相談クリニック、法と交渉、国際契約交渉、倒産処理研究、リサーチペイパーのうちより2単位以上
(iii)国際法、国際人権法、国際経済法、国際租税法のうちより2単位以上(ただし、入学前に国際法科目を未履修の者は、国際法を履修することを強くすすめる。)
(iv)別表1 法曹養成専攻授業科目表の4展開・先端科目群の中から12単位以上

7−4.授業科目の履修

(1)進級制
 厳格で客観的な成績評価がなされることを前提として、十分な学習の成果を挙げていない学生については、次の年次に進級し、そこで履修すべき科目を受講することを認めない、いわゆる進級制限の制度を設けています。
 各年次において必修とされている単位数の3分の2を修得しない学生は、次の年次に進級することはできません。進級することができなかった学生については、その年次の履修単位(他研究科科目、サマースクールの単位を含む)はすべて無効となります。(ただし、2年次から3年次に進級できない学生について、1年次の必修科目とされている科目を再履修し修得した単位については認められます。)
 したがって、次の年度にもう一度、その学年で履修すべきすべての科目を履修し直し、単位を修得しなければならなくなります。
  また、2年連続して進級することのできなかった学生は、学業達成の見込みのない者として、在籍資格を失うことになります。

(2)履修上限
 履修する個々の授業科目について十分な学習が行われることを確保するため、各年次について、履修登録可能な授業科目数(単位数)の制限を設けています。
       1年次 39単位
       2年次 36単位
       3年次 44単位

 したがって、法学未修者として入学を認められた者は、3年間で119単位まで、法学既修者として入学を認められた者は、2年間で80単位まで修得することが可能ということになります。これは上限です。ただし、平成21年度以前に法学未修者として入学を認められた者(平成22年度の1年次の学生を除く)は、3年間で114単位までとなります。

7−5.教育方法

 法科大学院の授業は、原則として、双方向的な形で行われます。そこでは、学生の主体的・能動的な取組みが期待されています。そのためには、授業時間以外での十分な学習、とりわけ予習が不可欠です。そして、授業での学習をふまえて、その成果を十分身につけるには、復習も欠かせません。一週間の限られた時間の中でこれらを計画的に、かつ集中して行うことが必要となります。

7−6.成績の評価

 学生の成績をどう評価するかは、基本的には、授業への出欠や授業での質疑への応答、レポート等の提出が求められる場合にはそのレポート等の評価などの平常点と、学期末の筆記試験によって判定されます。ただし、授業科目や担当教員によっては、レポート等の提出をもって筆記試験に代えることもあります。
 「プロセスとしての教育」を理念とする法科大学院においては、授業への出席は必須のことですから、欠席が度重なり、履修の実体を欠くと認められる場合には、当該科目の単位の修得が認められません。
 授業の開始に先だって、各授業を担当する教員は、その授業について筆記試験を実施するか否かや、成績評価に当たってどのような要素をどの程度考慮するかについて、シラバス等で公示することになっています。
 成績は、A+、A、B、C及びFの5段階で示されます。C以上が合格で、Fは不合格となります。ただし、グループで行動することを内容とするなど授業の性格によっては、合格・不合格の2段階で評価することもあります。A+は受験した者の総数の概ね5%、AはA+と合わせて総数の概ね30%というのが基準です。ただし、受講生が15名以内の授業には、この基準は適用されません。
 成績について、C又はFの評価を受けた学生は担当教員に対して書面で説明を求めることができます。
 所定の基準により修了時の成績優秀者を表彰します。成績優秀者として表彰されたことは、成績証明書に記載されます。

7−7.授業評価

 各授業について、履修した学生による授業評価を行い、教員の授業の改善に生かしています。法科大学院では、教育方法助言委員会を設置して、授業評価や教員相互の授業参観等に基づく教育方法の改善に努めています。

7−8.総合法政専攻博士課程への進学

 法学の研究を志す学生に対しては、法科大学院修了後、本研究科の総合法政専攻博士課程へ進学する途があります。法科大学院でも研究論文又はリサーチペイパーを指導教員の指導を受けて執筆し、これらを一定の要件のもとで進学に際しての審査対象とすることができます。

7−9.修了者数(別紙

7−10.新司法試験合格者数(別紙

8.学習環境

8−1.教室・学生自習室等

 法科大学院の授業は、主として、東京大学本郷キャンパス正門横の法学政治学系総合教育棟で行われます。同棟には法科大学院学生専用の第1学生自習室がありますが、このほか、法科大学院学生専用の第2学生自習室・第3学生自習室及び演習・討議室が本郷キャンパス龍岡門近くの第2本部棟7階にも設けられています。東京大学総合図書館も利用することができます。
 法学政治学系総合教育棟の学生自習室では、法科大学院学生専用の図書やデータベースを利用することができます。

8−2.学習支援体制

 法科大学院学生が学習を進める過程では、さまざまな困難に出会うことも考えられます。そのようなときに、各自が抱える学習上の問題の解決に役立てるために次のような相談体制が取られています。

(1)法科大学院教育支援室
 法学政治学系総合教育棟2階の202号室に法科大学院教育支援室が置かれています。そこに勤務する非常勤講師が、法科大学院学生の学習上の相談に当たっています。このほか、随時、学習に関する各種の講習会などを開催することになっていますので、各自の必要ないし関心に応じて参加してください。各講師の在室時間などについては掲示されています。
 法科大学院教育支援室には、上記の非常勤講師のほかに、事務補佐員が勤務しており、授業の教材の配付などの事務も合わせて担当しています。しかし、この事務補佐員は、教務事務を担当する大学院係に所属するものではありませんので、科目の履修や試験など、法科大学院の教務に関する質問や要望を受ける業務を担当していません。教務に関する質問や要望は、法文1号館2階にある大学院係の窓口でしてください。

(2)学習相談室
 学習相談室は、法学部・大学院出身の学習相談員と心理カウンセラーが互いに協力し、法科大学院及び法学部学生の学習面の相談から将来の進路や日常生活上の悩みまで、幅広く相談に応じようとするものです。
 法科大学院学生については、心理的な悩みに関する相談のみ受け付けています。学習に関する相談は、上記教育支援室の方までお問い合わせください。
 学習相談室について、詳しくは、学習相談室のホームページ(http://www.j.u-tokyo.ac.jp/sodan/)を参照してください。

(3)クラス顧問
 1年次及び2年次には、年度初めにクラス編成がなされ、それぞれのクラスには、クラス顧問の教員2名が配置されます。

9.学費及び奨学金等の学生支援制度

9−1.入学料及び授業料(平成23年度入学者)

(1)入学料      282,000円

(2)授業料  前期分 402,000円  (年額 804,000円)

9−2.入学料・授業料免除

 平成22年度データ
   入学料全額免除   0名、 半額免除12名
   前期授業料全額免除 0名、 半額免除70名
   後期授業料全額免除 0名、 半額免除71名

9−3.奨学金

(1)東京大学法科大学院奨学金制度
 法律事務所による基金拠出に基づく奨学金制度があります。
 給与制で、月額8万円です。
 受給奨学生は、計25名(各年度の入学者当たり10名)です(平成23年度)。

(2)独立行政法人日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金制度
 平成22年度の受給者は、第1種(無利子)が89名、第2種(有利子)が39名です。

9−4.ローン

 金融機関による法科大学院学生本人に対するローンがあります。法律家となった後に返還していくものです。本法科大学院が提携しているのは、三井住友銀行と第一勧業信用組合です。

以上

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