東京大学の法科大学院における教育の特色は、次の3点にまとめられます。
第1は、「法律家としての基幹能力」の育成です。法制度を所与のものとして学生に吸収させるのではなく、制度の背後にまで立ち入って深く理解し対処できる理論的バックボーンを形成させることを重視します。「法のパースペクティブ」や「現代法の基本問題」といったこれまでの学部教育や他の法科大学院には見られない基礎法学的な科目を重視しているのも、そのためです。これによって、法的問題を鋭く発見し、自分なりの発想で解決する創造的な能力を身につけることが可能になります。
第2は、「国際的問題への対応能力」の育成です。現代社会における様々な面での国際化に対応することは、現代の法律家にとって必須の能力であるといえます。こうした認識に立ち、多彩な国際関係法科目・外国法科目を提供しています。TV中継を用いて海外のロースクールと共同で国際契約交渉を実践する授業、コロンビア大学やミシガン大学など有力ロースクールとの教員交換プログラムに基づくアメリカのロースクール教授によるアメリカ法の各種授業、アメリカ法などを対象とし英語で集中的に授業を行うサマー・スクールなどが行われます。さらに、東アジア法、ヨーロッパ法の授業やシンポジウムなど国際交流プログラムも行っています。
第3は、「多様な人材」の育成です。一方で、現代のビジネスの最先端で活動できるだけの能力を持ったビジネス・ローヤーを育成することは、東京大学の法科大学院が特に力を入れている点です。専門的・先端的知識の提供とそれを応用する能力の育成のために、倒産法・知的財産法・国際私法・労働法・租税法・経済法などのビジネス・ロー科目を選択必修科目にしています。他方、市民の悩みを理解する市民生活ローヤーの育成にも力を注いでいます。雇用関係法(労働法、社会保障法)、消費生活に関する法(消費者法)、生活環境に関する法(環境法)、少年非行に関する法(少年非行と法)など幅広い授業を提供して、社会に貢献しようという高い志を持った法律家の育成を目指します。
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