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2018年サマースクールレポート その1

2018年度サマースクールについて

 

法曹養成専攻長 沖野 眞已

 

 

東京大学法科大学院は、国際的に活躍できる法律家の育成を目標の1つとしている。その目標に向けたプロジェクトのひとつが、サマースクールであり、法科大学院を開設した2004年以来、毎年行っている。15回目である2018年度は、8月4日(土)から9日(木)までの5泊6日の日程で、静岡県にある企業の研修施設をお借りして実施した。合宿形式で英語漬け、全館を借りきった施設は充実し、自然に囲まれて最寄りのコンビニは遠い――往復40分――という、英語で学ぶには絶好の環境である。

 

参加者は、東京大学法科大学院の学生40名、総合法政専攻の学生3名、北京大学、ソウル大学及びシンガポール大学、そして今回が初の参加となるインドネシア大学の学生計11名、企業法務部や法律事務所に勤務する専門職業人12名、の計66名である。講師は、アメリカ及びオーストラリアの著名な大学教授6名をお招きした。授業のテーマは年度によって異なるが、今年度は2015年度と同様に「Introduction to American Law」とし、お招きした外国教授の専門分野にあわせて様々な授業をしていただいた。アメリカ合衆国憲法の制定時の議論に焦点をおいたもの、昨年の米国連邦租税法の改正を踏まえた新たな税制の規律内容と考え方を示すもの、国際的な収賄案件への対応の多様なあり方と条約の役割を考えるもの、社会における問題の発生・認識とその解決におけるルールの多様なあり方や役割を探るもの、法的紛争交渉における行動態様を分析するもの、米国統一商事法典第9編の担保制度の骨格と基本となる考え方を説くもの、等々、私自身がごく短時間、聴講した部分だけをとっても、その内容は、多岐にわたり、そして何より、非常に刺激的であった。

 

参加者は、1日目・8月4日(土)の正午前に現地に到着し、オープニングセレモニーの後、午後から3クラスに分かれて早速2コマの授業が実施された。1日目の夜はウェルカムパーティが開催され、多彩な参加者の間で交流を図る姿が見られた。5日目・8月8日(水)午後までに120分の授業が各クラス計12コマ行われた。食事の際や休憩時間、夕刻や夜の時間など、参加者がグループで、討論したり、講師の先生方を囲んで議論をする姿が見られた。そして最終日・8月9日(木)の午前10時から午後1時までが、試験である。問題は、外国教授1人につき1題、英語で出題され、英語で解答するものであり、これに合格すると2単位が認定される。試験の終了後、午後2時からフェアウェルパーティが開催された。講師の代表者からスピーチをいただいた後に、法科大学院の各学年、総合法政専攻の各課程、中国、韓国、シンガポール、インドネシア、専門職業人というカテゴリごとに1名のボランティアスピーカーを募って皆の前で話をしてもらうなど、サマースクールの感想を語り合い、終始なごやかに、別れを惜しみつつ、将来の実りある再会を誓った。期間中の夜には、予復習に大忙しという状況であるものの、飲み物を酌み交わしながら交流する様子も見られ、このサマースクールが、これからの末永い交流のきっかけとなることと期待される。

 

本サマースクールは、東京大学法科大学院の学生にとって、世界が広く多様であることを知る何よりの機会であると同時に、外国からの学生や専門的職業人の方々に、東京大学法科大学院を知っていただく貴重な機会でもある。法科大学院は、様々な問題に直面しており、その解決が迫られているが、東京大学法科大学院としては、今後も、広く長期的な視野から、このサマースクールを大事にしていきたいと考えている。

 

サマースクールは大規模なプロジェクトであり、多方面の方々のご厚意・ご尽力があってはじめて成り立っている。招聘に応じてくださった講師の方々、毎年、優れた学生を送ってくださっている北京大学、ソウル大学及びシンガポール大学、今回から優秀な学生を送ってくださったインドネシア大学、ご多用のなか貴重な時間をサマースクールに費やしてくださった専門職業人の方々、財政面から本プロジェクトを支えてくださる方々、そして、企画・実施運営を担う本学事務局スタッフ――この場を借りて、お世話になっている全ての皆様に深く御礼申し上げたい。