生 命 倫 理 と 法
樋口 範雄・土屋 裕子
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生命倫理と法
樋口 範雄・土屋 裕子
4-6判上製 440頁 弘文堂
本体価格:2800円(税 140円)
2005年12月16日発売
ISBN4-335-35343-X C3032
弘文堂ホームページ
http://www.koubundou.co.jp/
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■解説
生命倫理と法の直面する諸問題に初めてアプローチ!
生命倫理は21世紀の最重要課題の1つです。生命倫理という言葉は、伝統的な医療倫理が行き詰まった20世紀後半に生まれたとされています。特に新しい生命倫理が求められた分野として、(1)人を対象とする医学研究、(2)遺伝子工学や遺伝子治療の分野、(3)臓器移植と人工臓器、(4)末期医療に関わる諸問題、そして、(5)人工生殖。これらの分野では、医師だけが判断し決定することが倫理的であるとは言えなくなったことは、昨今の議論をみていてもわかることと思います。
法に期待される役割がこの分野でも増大するなか、人工生殖、臓器移植、末期医療、医療情報の扱い方、法曹の倫理と医師の倫理の異同など、現代の生命倫理と法の直面する諸問題を浮き彫りにした、アクチュアルな1冊です。
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■主要目次 → ◇詳細目次
第1章 生命倫理と自己決定権
第2章 医療におけるソフト・ロー
第3章 医療情報の保護と利用
第4章 法曹倫理と生命倫理
第5章 人工生殖出生子をめぐる法的問題
第6章 医療技術の発展と法
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◇詳細目次
第1章 生命倫理と自己決定権
1 自己決定権を飼いならすために−自己決定権再考(マーシャ・ギャリソン/土屋裕子訳)
2 臓器移植と自己決定権−ミュンヘン会議からの示唆(安部圭介・米村滋人)
3 尊厳死と自己決定権−オレゴン州尊厳死法を題材に(久山亜耶子・岩田太)
第2章 医療におけるソフト・ロー
1 医療を規律するソフト・ローの意義(位田隆一)
2 アメリカにおける医療倫理規定の機能的分析(ロバート・B・レフラー/佐藤智晶訳)
3 医師の職業倫理−アメリカ医師会倫理規定に学ぶ(土屋裕子)
4 アメリカ医師会倫理規定の特徴(三瀬朋子)
第3章 医療情報の保護と利用
1 アメリカにおける医療情報保護−HIPAAプライバシー・ルールの現状(ベット=ジェーン・クリガー/樋口範雄訳)
2 臨床場面における診療情報の保護と利用の問題点(開原成允)
3 医療分野における個人情報保護に対する取組み(安川孝志・吉川展代)
4 医療における個人情報保護(樋口範雄)
第4章 法曹倫理と生命倫理
1 生命倫理と法曹倫理−医療と法における利益相反(レベッカ・ドレッサー/樋口範雄訳)
2 法曹と医療専門家における利益相反(ピーター・ジョイ/樋口範雄訳)
3 医療倫理と法曹倫理−新たな「公共性」の地平をめざして(児玉安司)
4 法曹倫理と医療倫理の対比−自律と強制、倫理と法の関係をめぐって(田中成明)
第5章 人工生殖出生子をめぐる法的問題
1 スウェーデンの人工生殖法−非配偶者間人工生殖における「子の福祉」(両角道代)
2 代理出産における母子関係−アメリカ法の場合(織田有基子)
3 人工生殖の母子関係の準拠法の決定について(佐藤やよひ)
4 渉外的代理母出生子の国籍(佐野寛)
第6章 医療技術の発展と法
1 身体や臓器について所有権で語る議論への批判(ローヌ・スキーヌ/朴或・樋口範雄訳)
2 幹細胞技術の規制−制限か許可か(ドナルド・チャーマーズ/土屋裕子訳)
3 外科手術の技術革新−法的責任と規制(アンナ・マストロヤンニ/溜箭将之訳)
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