東京大学大学院法学政治学研究科・法学部 グローバル・リーダーシップ寄付講座(読売新聞社)
フォルカー・シュタンツェル駐日ドイツ 大使 講義概要
演題 「東アジアとヨーロッパにおける昨今の課題 」
日本はもちろんドイツも、今年は年初想像できたよりはるかに多くの突然の変化に見舞われた一年でした。
・日本経済は震災のショックから立ち直り、再び安定回復への道を歩んでいますが、政治についても同様のことは言えるのでしょうか。
・北東アジア情勢は、昨年、北朝鮮関連、中国関連で深刻な問題が発生しましたが、今年に入り落ち着いた推移を見せてきました。しかし、中国では国家指導部トップの交代を控えています。
・ヨーロッパでは、アイルランド、ポルトガル、ギリシャへの支援が進められたことで、ユーロへの市場の信用を取り戻せたのではとの期待がありましたが、ギリシャ危機の推移によっては、EU経済もリーマンショックが世界経済の根底を揺さぶったような深刻な影響をこうむる可能性が排除できなくなりました。
・米国では、大統領選にむけ選挙戦が本格化していきます。経済指標のわずかな悪化や好転がオバマ大統領続投の成否にもつながりかねない中、日独にとり最重要の同盟相手である米国はリーダーシップを発揮できるでしょうか。