東京大学大学院法学政治学研究科・法学部

コラム2:進路について悩むとき

学習相談室

コラム2:進路について悩むとき

秋が深まっていく季節になりましたね。3年生の皆さんは、そろそろ就職活動や資格試験の準備など、卒業後の進路にむけて本腰を入れ始める時期でしょうか。周囲が着々と準備をしているように見えて、焦りを感じる人もいるかもしれませんね。4年生以上の皆さんでも、例えば資格試験の勉強をしながらも、時々ふと「自分はこの進路で良いのかな」と考えている人もいるかもしれません。

 

こんな風に、進路について悩んだとき、皆さんはどうしているでしょうか?学習相談室では、この2年間、弁護士・新聞記者・銀行員・フリーライターなどの様々な職業についた法学部OB・OGの方々を招いて、進路選択にまつわる体験を聞く講演会を行ってきました。今は第一線で活躍しているOBの方々も、学生時代には始めから一直線に進路を決めたわけではなく、色々と迷い、不安で動けなくなったりした経験もあったそうです。そんな先輩たちのアドバイスは、

 

「実際にその職業に就いている人がどんな仕事、どんな生活をしているのか、会って実情を聞いてみること。これがなによりも大切」

 

「自分なりの職業選択の基準をよく考える。例えば、仕事の内容、社会的なステータス、経済的な面、自分の望むライフスタイル等のうち、何を重視するのか整理してみる」

 

といったことでした。当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、先が見えなくなっている時というのは、ただただ資格試験に合格することや、職業のあいまいなイメージだけに気をとられて、判断ができなくなっていることも少なくないものです。

 

進路について悩むのは苦しいですが、とても貴重な体験だと思います。むしろ、自分で主体的に、真剣に考えないまま、「周囲に期待されて」「みんなが選ぶからなんとなく」「イメージで」決めてしまうほうが、後々苦しいことになるかもしれません。

 

そして、悩んだときに、一人きりで考え込むのではなく、家族や友人、先生や先輩など身近な人と話してみることも、道が開けるきっかけになると思います。もちろん、学習相談室もその資源のひとつです。職業に関する本の貸し出しや、職業適性テストなども用意してありますので、「参考になるかな」と思ったらいつでも気軽に来てください。

 

(文章:宇留田)