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コラム14:ときには恋の話でも…

学習相談室の相談内容の中に、「対人関係」があります。一般に「対人関係」という領域には、恋愛関係も含まれます。相談機関に相談に行こう、ということにまで至らないとしても、皆さんの年代ならば、ときに恋愛のことで、思い悩んだりするのではないでしょうか。そんなわけで、今回は、恋愛の話を少々。心理学領域には、恋や愛をテーマに研究をしている人が居たりして、なかなか面白いものです。その一部をご紹介しましょう…。

 

相手を好きだ、と思うようになるメカニズムは、必ずしも一通りではありません。まず、相手と顔を合わせる回数が増すほど、好意が増す、という「単純接触効果」なるものがあります。クラスメイトや、毎朝同じ電車に乗っている人への好意は、単純接触効果によるものかもしれませんね。そしてこれを逆手に取るとしたら、好きな人が出来たなら、なるべくその人にチラとでも姿を見せるようにしたら良いと思います。但し、相手がこちらに嫌悪感を持っていれば、会うことにより嫌悪感が増大する、という逆効果もありうるので注意してください。また、恐怖感等の感情の昂ぶりによる身体反応を、恋愛によるものだと勘違いすることにより、恋愛が始まることもあるようです。これは、「吊り橋実験」という有名な実験により明らかにされているものです。この実験においては、吊り橋の上で実験をし、そこに居るために生じるドキドキ感を恋愛感情と捉えたために、被験者が有意に恋に落ちています。従って、意中の人を、感情が揺さぶられそうなイベントや映画なんかに誘ってみるのも、有効かもしれませんね。ちなみに、恋愛の始まりにおいては、外見的認知、端的に言えば美しいかそうでないか、好みか否か、とか、社会的評判、つまり外的要因が他の段階よりも強く影響します。しかし、段階が進むにつれ、性格や価値観の類似性など、内的要因のほうが重要になってきます。なんとなく、経験的に理解できる話かもしれませんけれど。

 

お付き合いが始まった後では、例えば、二人の間に障害があるほうが恋愛が盛り上がるという、「ロミオとジュリエット効果」というものがあります。実験により、親の妨害度とカップルの熱愛度に相関があるということが明らかになっています。私は学部時代にこの名を聞き、笑ってしまいましたが、こんなのもあるんです。これも、先の吊り橋と類似した現象で、周囲からの反対により、不安や怒りが喚起され感情が昂ぶり、恋に燃えているような感覚になるといわれています。安穏とした日々を送るより、何か二人で乗り越えられるような障害を設定してみるのも手なのかもしれません。但し、この場合、障害を乗り越えた後に冷めてしまう、ということもありうるわけです。手に入りにくいものほど欲しくなるという、「心理的リアクタンス」という心の動きがあるんですが、この「心理的リアクタンス」が恋愛感情に絡んでいる時も同様です。障害を乗り越えた、恋愛が成就したその後に、相手と向き合ってみて何か物足りない、なんていう事態が起こりうるわけです。ですから、過程においていつでも、「私はこの人の、どこが好きなのか? 何故好きなのか?」と問うていくことが、とても大事になことになるのではないでしょうか。

 

紙面の都合上割愛しますが、上記に挙げたものの他にも、恋愛の研究は沢山あります。恋愛のマニュアル本のようなものも、いくつもあるでしょう。しかし、やはり人と人とのやり取りですから、最終的には自分と相手との性格や環境の組合せを、考慮したうえで推し進めて欲しいものです。失敗によって得るものも沢山あるでしょう。いくつ失敗してもいいから、素敵な恋愛をしていって欲しいと思います。

 

(文章:束原)

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