東京大学大学院法学政治学研究科・法学部

コラム42:ライフイベントを受け止める

学習相談室

コラム42:ライフイベントを受け止める

季節は秋になり、朝夕は肌寒く感じることも多くなってきました。日照時間が短くなると、心身の不調を訴える方が多くなるとも言います。くれぐれも、日々の体調管理には気をつけてください。季節は秋になり、朝夕は肌寒く感じることも多くなってきました。日照時間が短くなると、心身の不調を訴える方が多くなるとも言います。くれぐれも、日々の体調管理には気をつけてください。

 

大学生にとって、進路選択とは非常に大きなテーマでしょう。人生における分岐点に立ち、生まれて初めてこれまでの自分・これからの自分のあり方を本気で考える、という方もいるのではないでしょうか。こうした人生の節目に起きる様々な出来事を、「ライフイベント」と呼びます。ライフイベントはポジティブな出来事とネガティブな出来事の両側面を含む概念ですが、実はストレスというものは、必ずしもネガティブな出来事においてのみ生じるものではありません。就学や就職などの人生の転機となるような出来事の他、一般的に好ましいとされる出来事(休暇、季節の行事etc.)もストレス ―外部からの圧迫・刺激― となり得ます。そしてこうしたストレスは、ときに様々な反応として現れてくるものです。

 

○ こころの反応:いらいら・不安・焦燥・抑うつなど

○ 認知の反応:集中力の低下・記憶力の低下など

○ 行動の反応:過度の飲酒や喫煙・仕事や学校を休みがちになるなど

○ 身体の反応:循環器・消化器・自律神経などの違和感

 

以上に挙げたのはほんの一部ですが、悩んだり疲れを感じたときに生じる身体やこころの変化について、思い当たることのある人も多いのではないでしょうか。このような時には、ぜひご自分なりの対処法を見つけてみてください。たとえば、入浴で心身のリフレッシュをすることが効果的でしょうか? 日々の食事を、意識して味わってみることが大切でしょうか? 1日30分でも良いので、自分の時間を見つけてみても良いかもしれません。こうしたストレスへの対処法は、一人ひとりが違って良いものです。ご自分の“取り扱い説明書”を作ってみるような気持ちで考えてみると、ひょっとしたら自分自身について、新しい発見があるかもしれませんね。

 

ちなみに、ライフイベントによるストレスは、マイナスの側面ばかりでもありません。自分の今までやこれからと向き合うことで、新たな道や自分自身の成長を見出すことができるかもしれません。周りの人々との関係について振り返る中では、他者への思いやりや理解が深まるかもしれません。行き詰まりと感じるような出来事であっても、視点を変えれば前向きな側面を見出すこともできるのです。人生の節目に起きる出来事をどのように受け止めていくかで、案外自分自身に対する評価も変わってくるように思えます。どうせなら、ネガティブな側面よりもポジティブな側面に目を向けたいものですね。

 

もしも出来事の悪い側面しか見ることが出来ずに自分を責めてしまうなら、それは心が発するSOSのサインかもしれません。一人で抱えることが難しければ、身近な誰かに相談しましょう。時に身近な相手であるほど、話しにくいような事柄もあると思います。そんな時は、当相談室をはじめとする相談機関を上手に活用してみてくださいね。

 

(文責 能登)