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コラム44:学習セミナー講師からのメッセージ

掲示板等でもお知らせしましたように、去る5月26日(木)、22番教室で「第15回法学部生のための学習セミナー」を開催いたしました。諸岡慧人さん(法科大学院3年)、塩田祥大さん(2016年3月法学部卒業、広告代理店勤務)、佐々木雄一さん(2016年3月法学政治学研究科総合法政博士課程修了、日本政治外交史専攻、特別研究員)のお三方によるスピーチはいずれも大変充実した内容で、参加者には大変好評でした。そこで、学習セミナーに参加できなかった人のために、ここでお三方のスピーチ内容の要点をご紹介します。

 

■諸岡慧人氏
・自分の体験をもとに、「法学ができない」と感じている人に向けて話をしたい。
・私自身、東大法学部の雰囲気になじめなかった。2年生のときは、特に、900番教室に立ち込める空気、お互いが静かに監視しているような雰囲気が嫌だった。
・法学部にいると画一化思考というか、他人と比べて、自分はなぜああできないのだろうと思ったりして、それがまた競争の雰囲気につながっている。
・3年を終わった時点で、取得単位が50単位で、必修も2科目未受験だった。いよいよ法科大学院受験はやめた方がいいのではと焦りがでてきた。
・基本書を読まずにシケプリを読むのは恥ずかしいという、変なポリシーがあったのだが、一応頑張って基本書を一周読み終えても、二周目に入ると、何も頭に残っていないような状況だった。
・自分で勉強しても、バラバラにしか頭に入ってこない。いろんな学説や判例があるが、なぜその論点が生じているのかわからない。なぜこの論点についてここまでややこしい議論をしているのかがわからなかった。
・自分に合った勉強法を見つけるのが大事です。
・私の場合、バラバラな知識を覚えても、頭に入ってこないし残らない。そこで、「何が問題なのか?」「なぜそれが問題になっているのか?」ということを意識しながら勉強するようにした。
・ザーッと基本書を読んでいても、いつのまにか学説の対立の話になっていて、それが現実社会でどう役に立つのかわからなかった。そこで、「なぜこの論点が必要なのか?」「どういう論理展開でこの論点が出てきたのか?」「どういう問題を解決しなければならないのか?」という前提を常に意識するようにした。
・判例集の事案概要を読んで、「ああ、これは大変だな」と当事者に共感できれば興味が持てる。当事者の怒りや胸打たれるような気持が前提にあって、それを解決するために、論理の世界があるんだということがわかってくる。
・そのためには、ジャーナリストやノンフィクション作家、あるいは原告団など訴訟当事者が書いた本を読むと、当事者の気持ちがわかって、興味がわく。漫画では『ナニワ金融道』も面白い。
・具体的な勉強法としては、演習書や体系書を自分でまとめるようにした。なるべく短くまとめるようにすると、論点の対立が生じる理由や各学説の論理関係がわかってくるようになる。
・自分で一通り説明できるようになれば、その論点について理解できたことになる。
・基本書を最初から読むのはつらいので、最初は入門書や『プレップ』シリーズなど、ものすごく薄い概説書や入門書を読んで、全体の見取り図を頭に入れておくとよい。

 

■塩田祥大氏
・私は、法学部に行きたくなくて降年し、法学部でも留年し、就活もさぼって、知人の紹介で就職したようなもので、ミニマムに努力して卒業した人間です。
・2年次には政治学だけ可を取ったが、あとは受けず、法学部に恐怖感があった。駒場は曲線的だが本郷に来ると直線的。それが本郷の硬直性を表しているように思える。
・私は法学部が苦手で、大学へ行くのも辛かった。最低限自分ができることだけやる。私の場合は、最低週1日は出るようにした。必修には出るようにした。春は頑張れないので秋冬に頑張って単位を取るという単位取得計画を作り、実行した。
・ということで、どうしても嫌だったら、何とかやり過ごしましょう。
・講義には出ましょう。
・それが嫌なら、好きな先生の講義だけは出ましょう。
・必修だけは出ましょう。
・講義に出づらいのであれば、教室の後ろにすわるといい。そうすれば、誰にも見られずに出入りできる。
・大学との関係は切らない方がいい。そのためには、恋人を作るのが一番いい。それが無理なら、好きな人を作る。その人に会うために大学に行く。それが難しければ、友達を作りましょう。それも難しければ、学習相談室に行きましょう。
・約束をすると破ったときに気まずいので、自動的に大学に行くことになる。どうしてもしんどければ、留年・休学も視野に入れる。
・一つくらい好きな講義を作り、それだけは優か優上を取りましょう。
・一つでも優(上)を取ったら、最大限調子に乗りましょう。
・一つの優を肥やしにして、勉強をしましょう。
・それぞれの単位の取り方がある。自分の向き不向きできることできないことを勘案して自分だけの単位取得計画を作りましょう。
・法学部を2年で出るのが難しければ3年計画でもいい。
・留年や休学の最大のメリットは人間関係をリセットできること。人に気兼ねをしなくていい。留年・休学しても、死ぬわけじゃない。
・周りは周り、変に影響されずどっしり構えていれば、そんなに辛くなく大学を卒業できると思う。
・私は、モチベーション自体は高かった。各学期の始まる前には、図書館で『法学入門』や『法学とは何か』といった本をたくさん読んで、テンションを高めていた。
・私の勉強法ですが、私の友人には留年者が多かったので、ミニマムの努力で卒業しようという人が多く、信憑性は不明だが、都市伝説のような怪しげな情報がたくさん集まってきた。(以下、省略)

 

■佐々木雄一氏
・私は2007年に大学に入学しましたが、中学・高校では囲碁をやっていて、春のリーグ戦にも出ていました。
・転機になったのは1年生の夏学期に苅部先生の授業に出たこと。1年の夏学期が終わったときには研究者志望に決めていた。
・勉強方法について悩みには大きく分けて2種類あるだろう。一つは、単位を取りたい、卒業したい、成績を上げたい、といった悩み。もう一つは、やりがいや納得感が得られないという悩みだろう。
・第1の悩みを持つ人には、他学部科目を最大限取ることを勧めたい。そしてゼミには毎学期出ること。ゼミで単位を落とす人はほとんどいないから、これだけで20単位は確保できる。それから、試験を選んで受けること。
・私は履修した科目はすべて試験を受けるという方針だったため、126単位くらいとって卒業したが、たくさん単位を取っても、誰もほめてくれない。しかし、たくさん試験を受けると、それだけ力が分散するので、成績が下がり、GPAの点が低くなる。今思うと、初めからもっと成績を狙うべきだった。
・それから、持ち込み可の試験を取るといいと思う。
・試験準備では、穴を作らないことが大事。満遍なく勉強すること。「30個ぐらい山を張れ」とおっしゃった先生もいたが、確かにそのくらい山を張れば想定した問題が出る可能性は高いが、あまり現実的ではない。だから、山は張らない方がよい。
・第2の悩みについては、諦める、あるいは、ハードルを下げることが大事。
・3年生が終わるころ、ようやく自分は法学に向いていないことに気付いた。法学は全体の見取り図を頭に入れておくことが重要だが、私は細かいことが気になるタイプ。有力説、反対説、判例と、3つも4つも解があるのがおかしいと思い、気になって調べ始めると、いくら時間があっても終わらない。
・このような向き不向きは誰にでもあるし、適度にあきらめることが大事。
・「わかるはずだ」という過度な期待はやめる。勉強してすぐに納得できてわかる部分もあれば、そうでない部分もあると思う。つまずきを気にしすぎると、時間がいくらあっても足りないので、気にしない。
・勉強したことがすぐに役立たなくても、そんなに悩む必要はない。

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