東京大学大学院法学政治学研究科・法学部

コラム19:「早起きは三文の徳」を目指して

学習相談室

コラム19:「早起きは三文の徳」を目指して

「ご趣味は?」と訊かれると思わず「眠ること」と答えたくなるくらい眠るのが好きな私ですが、日々の忙しさの中でなかなか心地よい眠りを取れていないというのが正直なところです。一言で「よく眠れていない」と言っても、「眠れなさ」には様々なタイプがあります。その人の年齢やどのような社会生活を送っているかによっても、眠りについての悩みは異なってくるでしょう。ある調査によると、比較的時間の自由がきく大学生では、睡眠時間の不足よりも、眠りに就く時間が遅くなっていき昼夜逆転の生活パターンに悩む人が多いということです。昼夜逆転とまではいかなくても、法学部のように出席を取らない授業が多いと、「遅刻してはいけない!」というプレッシャーが弱くてついつい朝寝坊、夜寝るのが遅くなることも珍しくないと思います。夜更かしして朝の時間をさわやかに過ごせないと、なんとなく1日がすっきりしませんね。今回は、睡眠のリズムを整えることをテーマにしたいと思います。

 

人間の体内時計は24時間よりも長い周期なので、睡眠のリズムが後ろにずれ込みやすく、前には早めにくいといわれています。夜更かしの生活が気になって、「今日こそは早く寝よう!」と意気込んでも、体は寝付きにくい状態なのです。「せっかく早く寝ようと頑張っているのに、眠れないなんて」と焦り苛立つ気持ちのために、明け方まで眠れないということも。そんなときには発想を転換して、夜早めに眠ることよりも、朝早めに起きることを心がけてみましょう。目覚まし時計を用意して、朝どんなに眠くてもとにかく布団からぬけ出し明るい光を浴びることが、その夜の自然な眠気のためには良いのです。

 

もう1つ、睡眠のリズムを整えるために試してほしいことに「睡眠表」というものがあります。これは、毎日、眠った時間帯や睡眠時間の合計、その日の体調などを表に記録していくというシンプルな方法です。単に記録をつけるだけなのですが、自分の睡眠リズムを客観的に把握できるようになり、早起きしようという気持ちを高めるためにとても有効といえます。また、睡眠表を続けていくと、自分のことをよりよく知るための貴重なデータにもなります。たとえば、個人によって大きく異なる必要な睡眠時間も、数ヶ月間継続して睡眠表をつけることによって、大体の目安がついてきます。皆さんの中にも、9時間以上眠らないと辛いというロングスリーパーの人、逆に6時間未満の睡眠でも大丈夫というショートスリーパーの人がいるはずです。自分が必要とする睡眠時間を知っておくことは、毎日をすっきりとした気分で過ごすためにとても大切だと思います。

 

勉学に、サークルに、アルバイトにと、やりたいこと・やるべきことが盛りだくさんの学生時代、眠りのリズムを大切にしてぜひ充実した毎日を過ごしてください。

 

(文責:今泉)