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研究科長・学部長挨拶

東京大学大学院法学政治学研究科・法学部(以下、「本研究科・学部」といいます)は、その歩みを辿れば、1877年に遡ります。この年、東京開成学校(法文理の3学部)と東京医学校(医学部)との合併により東京大学が創立され、その学部の1つとして、法学部が設置されました。以来、折々に組織の手直しはありますが、一貫して、日本の法学・政治学の研究・教育をリードし、司法、行政、政治、経済、言論報道、学問研究等、幅広く各界に有為の人材を送り出してきました。法学・政治学の分野において、日本で最も由緒のある、そして最大級の研究・教育機関です。

 

このような歴史と伝統、それによって培われた人的ネットワークと社会的評価は、本研究科・学部の貴重な財産です。それとともに、本研究科・学部は、時代の変化を敏感に受け止め、絶えずそのあり方の見直しを図ってきました。「平成」という直近の時代に限っても、次に掲げる例に代表されるような様々な改革に取り組んできています。

 

まず、平成の開始から間もなくの大改革として、1991年(平成3年)には、これまで法学部に設置されていた講座を大学院法学政治学研究科に移すことにより、大学院を名実ともに「研究・教育一体の組織」とする「大学院重点化」を敢行しました。学部と大学院の関係は、学部に所属する教員が大学院を兼担する仕組みから、大学院に所属する教員が学部を兼担する仕組みへと改められました。

 

次いで、平成の半ばに当たる2004年(平成16年)には、司法制度改革の流れを受けた改革として、大学院に法曹養成専攻(法科大学院)を新設し、大学院の組織を、従来からの研究者養成を中心的な使命とする総合法政専攻と、新たに設置された法律実務家の養成に当たる法曹養成専攻との2専攻制に改めました。

 

さらに、平成も終わりに近づいた2017年(平成29年)には、学部おいて、社会の国際化と学生の進路の多様化への対応として、コース制とカリキュラムを大幅に改めました。従来の「第1類(私法コース)」「第2類(公法コース)」「第3類(政治コース)」というコース区分を、「第1類(法学総合コース)」「第2類(法律プロフェッションコース)」「第3類(政治コース)」へと組み替えるとともに、卒業単位と必修科目の削減により、学生の主体性・自主性をより重視した、様々なチャレンジ(留学等)がしやすいカリキュラムとし、合わせて、「外国語科目」というカテゴリーの新設(第1類で一定単位取得を卒業要件化)、「リサーチペイパー」の新設(第3類で卒業要件化)等を行いました。2018年度の進学者からは、長期化する高等教育の現状を踏まえ、学部における早期(3年次)卒業の制度も導入しました。

 

また、同じ2017年には、大学院においても、新たに「先端ビジネスロー・プログラム」を開始しました。主として、近時の急速な技術革新の成果を社会実装する上での法的・政治的問題を、理論と実務との密接な連携のもと、理系研究科とも連携し、文理の枠を超えた総合的視野から研究・教育しようとする試みであり、東京大学が全学的に取り組む「国際卓越大学院教育プログラム(WINGS)」の1つとされています。

 

本研究科・学部の強みの1つは、70名を超える教授・准教授を擁し、その誰もが法学・政治学の最先端の研究に従事し、その成果を生かした教育を展開していることです。70名超という規模の大きさは、教授・准教授の専門領域の多様性と結びついています。現代日本の法・政治の各分野は勿論、諸外国の法・政治、法・政治の歴史、哲学、思想等の分野も広くカバーしています。また、豊かな実務経験をバックグラウンドとし、理論と実務を架橋する研究・教育を展開している教員も存在します。このように多様な専門分野に亘る質・量ともに充実した教授・准教授陣を擁することは、多面的なものの見方を養成する教育を可能とし、また、現代社会の問題に多方向から光を照射し、問題を深くその本質まで追究することを可能としています。

 

また、当研究科・学部にとって、東京大学という日本において最高水準の研究・教育を展開している総合大学の一部局であることもまた、その強みといえます。現代社会の最先端で生じる複雑な問題は、しばしば法学・政治学の枠を超え、理系を含めた分野を横断した広がりを持ちます。デジタル革命と呼ばれる技術革新の問題はその代表例です。本研究科・学部が、東京大学の一部局であることは、最高水準の分野横断・融合型の研究・教育が可能であることを意味します。前述した「先端ビジネスロー国際卓越大学院教育プログラム」は、そのような研究・教育の実践例です。

 

当研究科・学部の強みは、他にも多数存在します。法学・政治学の専門図書館として世界屈指のコレクションを誇る法学部研究室図書室と、明治・大正期の日本で刊行された新聞・雑誌の国内最大のコレクションを有する近代日本法政史料センター(明治新聞雑誌文庫)の存在もその代表例です。今後とも、そのような強みを最大限に生かした研究・教育の展開に努めていくことをお約束して、研究科長・学部長としての挨拶といたします。

法学政治学研究科長・法学部長 大澤 裕

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