研究班
  • 政策システム理論
  • 政権交代班
  • 地方分権班
  • メディア班
  • EU班
  • 科学技術班

科学技術班(コーディネーター:城山) メンバー

城山英明

城山英明
Hideaki SHIROYAMA

事業推進担当者・
東京大学大学院法学政治学研究科教授

石黒一憲

石黒一憲
Kazunori ISHIGURO

事業推進担当者・
東京大学大学院法学政治学研究科教授


山本隆司
Ryuji YAMAMOTO

事業推進担当者・
東京大学大学院法学政治学研究科教授

奥村裕一

奥村裕一
Hirokazu OKUMURA

特任教授・
株式会社フューチャーコミュニティ研究所


畑中綾子

畑中綾子
Ryoko HATANAKA

特任研究員・
東京大学大学院法学政治学研究科

中島貴子

中島貴子
Takako NAKAJIMA

特任研究員・
東京大学大学院法学政治学研究科


 科学技術と政治・行政の相互作用について、科学技術を社会に埋め込む際の専門家、企業、公衆によるフレーミングの持つ意義や、科学技術の持つ可視化作用や学習の促進機能に注目して分析する。このような科学技術が惹起するフレーミングや可視化は、既存の政策システムの変容を促すメタ政策システムの要素であると考えることができる。
 社会における科学技術の活動やその利用は、一定の専門家、企業、公衆といった様々なアクターによって構成される政治・行政を含む制度的枠組み(政策システム)の下で行われる。そして、科学技術の活動(例:政府による研究開発)やその利用に基づくサービス提供(例:公共事業、医療)は、制度的枠組みに制約される。このような政策システムは一定のフレーミングを持つ専門家の慣性・暴走にも支えられて一定の持続性・閉鎖性を持つ。しかし、このような政策システムも、環境条件の変化の下で、一定の変容を試みることになる。その際、科学技術と政治・行政を媒介する様々なアクターやそれらが活動する文脈となる諸制度が重要になる。例えば、内外の多様な専門家、専門家集団(その中にも多様な出自・志向性を持った集団が並存しておりその多様な組み合わせとバランスも重要)、企業、業界団体、あるいは場合によっては公衆(public)やNGO・NPOも重要な主体となる。また、これらの主体が活動する制度・場としては、審議会、国際標準化機関等様々な舞台があり、これらの舞台における課題構造や社会的なビジョンの構築等のフレーミングは重要な活動である。
 さらに、科学技術活動は、より直接的にメタ政策としての性格を持つ。例えば、技術的な新たな手段(例:情報技術、核兵器、検査技術)の登場や、科学的知識の蓄積(例:BSE、温暖化)は、新たな社会的課題の可視化や学習の促進、新たな社会ビジョンの構築といったフレーミング活動を通して政策システムやその運用・戦略を変える契機となる。その際、技術開発や科学的知識には一定の不確実性は不可避であり、特にこれが大きな場合は、政治的行政的な取り扱いに困難を引き起こす。不確実の取り扱いの名の下に、様々な政治的マヌーバーが行われる。また、このような新たな科学的知識や技術的手段の創出を促す、科学技術や学術のマネジメントの体制自体がメタ政策システムとしての側面を持つ。