4年生の皆さんの中には、進学や就職などで、希望通りの進路に決まった人も多いでしょう。おめでとうございます。
その一方で、希望していた進路とは別の進路に決まった方や、まだ進路が決まらない人もいるでしょう。
希望通りの進路に決まった人も、そうでない人も、ここで少し考えて頂きたいことがございます。希望通りの進路に決まった人は、もちろんご本人の努力の賜物だと思いますが、同時に、ご両親や友人など周囲の人々の支えや、才能に恵まれたことなど、様々な他の要因もあったのではないでしょうか。希望通りの進路に決まらなかった人も、努力が足りなかったというケースもあるでしょうが、たまたま大事なときに体調を崩してしまったり、家族や友人関係など人間関係のごたごたに巻き込まれてしまって、集中力を発揮できなかったりと、色々な不運が重なったりしたケースもあるでしょう。
確かに努力は尊いものですが、それだけが結果のすべてを左右するわけではなく、様々な運不運や人間関係など偶然的な要素もまたそこには関わっているはずです。自分一人だけで出した成果や責任といったものはないでしょう。自己責任とか自己決定ということがしきりに言われる世の中ですが、本当にその人一人だけに閉塞した責任とか決定といったものはなく、様々な人間関係や過去からの因果関係の中において初めて生じるものではないでしょうか。
人は社会の中で人を助けたり助けられたり、人に迷惑をかけたりかけられたりしながら生きているものです。そう考えれば、うまくいったときには、自信と同時に感謝の念と謙虚な気持ちも湧いて来るでしょうし、うまくいかなかったときにも、過度に卑下することなく、次の成功に向けて気持ちを切り替えることもできるようになるのではないでしょうか。
今回、希望が叶った人にもこれからの長い人生で何があるかわかりませんし、希望が叶わなかった人にも挽回と立ち直りのチャンスはいくらでもあります。すべての4年生の皆さんにエールを送りたいと思います。(文責:稲田)