東京大学大学院法学政治学研究科・法学部

コラム65:重ね着して、きさらぎする。

学習相談室

寒さも冷え込む今日この頃ですね。

初雪もちらつくような日々が続いていますが、皆さんはどのようにお過ごしでしょうか。

ふと、カレンダーを見ると、今年度の終わりが近づくもう2月です。

そして、横には月の異名が書いてあったのですが、2月は「如月」でした。

 

学生時代に古文で習った懐かしい記憶がよみがえると共に、“「きさらぎ」ってなんだったっけ…?”と思ってしまいました。きりっとした、かっこいい響きですね。

難関受験を乗り越えてきた法学部生の、知っている皆さん、すみません(笑)。

 

答えは、諸説あるそうですが、ここでは二つをご紹介します。ひとつ目は「衣更着(きさらぎ:寒さゆえに、着物を重ね着をすること)」、ふたつ目は「如月(にょげつ:厳しい冬が終わり、草木や自然などの万物が次第に動き出す)」という意味もこめられているそうです。

 

この意味を見ると、個人的には、両方とも、この2月になんともぴったりだな、と思います。

寒い「冬」の真っ最中、着ぶくれしてコタツにでももぐって、みかんでも食べてのんびりしたいですし、時間と心の余裕とリアルなコタツがあればそうするでしょう。またそれが「冬」のよき過ごし方であり、楽しみ方でしょう。一方で、水面下では、徐々に、太陽は日照時間を延ばし、植物は芽吹きの準備をし、人間はいそいそと新年度への準備にかかります(笑)。

 

つまり、「冬」は気づかないうちに徐々に遠ざかっており、新しい年度、新しい環境、出会いや別れという「春」に向けて、もう水面下ではすでに動きが始まっており、そこへの心の揺れ動きが出てくる時期かもしれませんね。

 

なんだかやる気出ないな~、寒いな~、しんどいわ~という皆さん、それは非常に自然な時期なので、(それが可能な日には)心置きなく、沢山「着込んで」、のんびりお家かカフェか好きな場所にこもりましょう。温かい飲み物でも飲みながら、ぼーっと外でも眺めましょう。

でもいっぽうで、心のどこかでは新しい季節に向けて、なんだかわくわくしたり、どきどきしたり、ざわざわしたり…、そんな心の変化が、実は出てきているかもしれません。

ぜひそんな心の「揺らぎ」を、ちょっと感じ取ってみてはいかがでしょうか。

 

そして、いやいや、それどころじゃないよ、不安でたまらん、という人もいるかもしれません。それは、一人で抱えるには大きすぎる「揺らぎ」かもしれません。

そんなときは、一人で抱えないで大丈夫です、ぜひ荷を下ろしに気軽にお話にきてください。

それでは、相談室でお会いしましょう!(文責:高堰)