2025年サマースクール・レポート
法科大学院3年 小峰湧優
サマースクールに関する以下の事項について、以下のとおり個人的な感想を述べる。
(1) 司法試験対策に役立つか?
(2) 英語が得意でなくても楽しめるか?
(3) 単位は取得しやすいか?
(1) 司法試験対策に役立つか?
結論からいうと、その年のテーマにもよるが、司法試験対策に役立つと思う。
今回のサマーでは、司法試験に関連し得る分野として、憲法の「表現の自由」、「営利的言論」、商法の「経営判断原則」等が主要テーマとして扱われ、欧米スタイルのソクラテスで問われた(書き起こしの棒読みを求められるのではなく)。そのため、それら分野に関する批判的思考が刺激されたと思う。かかる刺激は、論文式試験に向けた「設問の分析力の培い」や「答案のアイディアのストック」として役立つと思う。
また、例年、司法試験を受験した直後の3年生が多く参加しているので、手応え等を聞き出す良い機会となると思う。
(2) 英語が得意でなくても楽しめるか?
結論からいうと、英語力研鑽の一環としてサマーをフル活用しようとすれば英語が得意でなくても大いに楽しめると思う。
また、そのようなマインドセットを前提としつつ、外国人留学生や社会人参加者と接しながら成される社交性の研鑽は、今後にとって大きなメリットとなると思う。
今回のサマーでは、発言内容の当否や文法・響きの美しさ等が二の次で、授業内・外での(建設的な)発言を躊躇しないことこそが重要であったと思う。
そもそも英語に触れ合う機会が限られている日本で英語が得意でないのは「あたりまえ」であって、「格好悪い」ことでは全くないし、逆に、そうであるにもかかわらず授業内・外を問わず、英語での発言を頑張った者こそが格好良いと評価されるべきである。
私は生まれも育ちも海外であるが、どの国においても、魅力的な人として捉えられるのは、単に文法が整った英語を話す人よりも、自分が思うことを自分の言葉(自分なりの英語)で真摯に相手に伝えられる人だと私は信じている(無論、美しい英語を話せるに越したことはないが)。
したがって、今回のサマーでは、発言を躊躇しなかった者の方が、より多くの友人を作ることができ、かつ、社会人参加者から名刺を取得等でき、思い描いている理想の法曹像に近づけたのではないかと観察する。
(3) 単位は取得しやすいか?
結論からいうと、異常な行動をとらない限り、全く問題なく単位は取得できると思う。
試験前夜に同級生達がグループを作って勉強していたのを見て圧倒されたが、私は、オープンブックの試験に向けて配布資料の重要な部分を適当にマークしたにとどめて早めに就寝した。それでも単位は来た。
そのため、仮に読者において「英語が得意でないので試験に合格できなさそう」という心配があるのであれば、それは杞憂に終わると思う。
最後に、上記以外にも、もちろんメリットは多々あるので、サマースクールは大いに参加する価値があると思う。
以上。