夏の思い出を作りましょう
――2024年サマースクールを記して――
法学政治学研究科総合法政専攻修士課程
蒋 心南
夏休みの有意義な過ごし方は様々ありますが、もし時間とお金の余裕があれば、都会を離れて、花火が見える海の近くの街、湯河原で開催されるサマースクールに参加してみてはいかがでしょうか。2年連続で参加した者として、このサマースクールは必ず唯一無二の体験になることを保証できます。
2024年8月3日から8月8日まで、ちょうどパリ五輪と重なる期間に、静岡県湯河原町三井物産人材開発センターにて、6日間合宿形式のサマースクールが行われました。以下は、授業・施設環境・遊びという3つの側面から、このサマースクールの楽しさを紹介します。
第1に、授業は非常に充実したものでした。今年のテーマは、「グローバル競争法」です。ヨーロッパ、アメリカ、日本及び中国からの6名の教授や弁護士の先生方が講師として招かれ、各国の競争法制度・最前線のトピックスについて英語でレクチャーをしました。参加者は、本学の学生だけでなく、海外大学の学生や、企業や公取委等から来られた社会人の方も含まれており、3つのクラスに分かれて授業を受けました。特に印象残ったのは、日本法担当の原先生による授業において、参加者が会社役と公取委役を演じる3~4人のグループに分かれ、競争法上の問題点と対応策を議論するというロールプレイ形式のレッスンです。ロールプレイをすることで、異なる立場から事例の設問を考えることができ、かつ、英語で討論しなければならないので、英語のコミュニケーション能力を鍛える絶好の機会でもありました。もちろん、他の先生方の授業でも、数多くの法律規定や判例、学説などが紹介され、多種多様な視点に触れることで大いに刺激を受けました。また、サマースクールに参加するためには競争法の予備知識があることは求められませんが、事前に配られたリーディング・マテリアルの量が多いため、早めに予習することがおすすめです。私の専攻は民法ですが、このサマースクールを通じて競争法の基礎知識を身につけ、特に、企業の「力の濫用」に対する理解が深まり、視野も広がった点で大変有益な経験となったと思います。自分の研究テーマには直接関連しないとしても、多様な関心を持って、得た知識を将来に生かすことが大切だと感じました。
第2に、施設はきれいで快適でした。サマースクールの会場となった三井物産人材開発センターは、研修棟と宿泊棟に分かれています。研修棟には、授業が行われる教室(研修室)と食堂が設けられています。合宿形式のおかげで、授業後や休憩時間に先生方や他の参加者と気軽に交流できるのはもちろん、食卓で朝食を共にしながら進路などについて相談することも可能です。初日のウェルカム・パーティーと最終日のフェアウェル・パーティーも、大食堂で行われ、皆さんとの会話を楽しむことができました。また、コーヒーバーやマッサージチェアも設置されており、そして、ラウンジでは友達と一緒にテレビでパリ五輪の試合を観戦することもできます。宿泊棟には、参加者全員に個室が用意されているほか、大浴場も魅力的です。大浴場は朝もやっており、お風呂に浸かって緑を眺めながらリラックスし、今日も一日頑張ろうという気持ちにさせてくれます。
第3に、遊びについてですが、熱海海上花火大会は絶対に見逃さないでいただきたいです。サマースクール期間の定番イベントであるこの花火大会は、私にとって一番の楽しみでした。5日間の集中授業なので、3日目以降疲れが溜まってしまい、このタイミングで友達を誘って海辺の花火大会で気晴らしをするのは最高だと思います。そのために、授業の宿題を早めに終わらせ、タクシーの予約と大会当日食堂の夕食のキャンセルを事前に済ませておく必要があります。もちろん、人数に応じたレジャーシートなどを準備しておくとさらに楽しめるでしょう。会場に着いたら、方向を間違えないようにビーチの方に陣地を確保し、そして花火の打ち上げを待つだけです。その美しさに感動すること間違いありません。こうして、愉快で素敵な一夜を過ごせます。
簡潔ながら、以上は、私が感じたサマースクールの楽しさです。実際、私だけではなく、今年の参加者の多くは昨年度の会社法サマースクールにも参加していました。これも、このサマースクールの魅力と楽しさの証なのではないかと思います。
最後に、この場を借りて、この夏の6日間に私に付き添ってくださった美男美女たちにお礼を申し上げます。たとえ今後また日本の海辺で花火を見上げるチャンスがあったとしても、きっと今夏の花火の美しさに敵うことができないでしょう。また、先生方、事務局の皆様、関係者方々にも深く感謝しております。先生たちがいなければ、このサマースクールは成り立たなかったでしょう。来年も、サマースクールが無事に開催されますように、心からお祈りいたします。