東京大学大学院法学政治学研究科・法学部

2021年サマースクールレポート その2

法曹養成専攻

2021年サマースクールレポート その2

 法学部四年

小村揚子

 

私がサマースクールへの参加を希望したのは、各国の教授による講義の受講、様々な年齢層及び国籍の学生たちとの交流、英語によるディスカッションの経験を期待したからでした。実際にサマースクールに参加して、これらが全て実現され、とても貴重な経験となりました。

 

今年度のサマースクールのテーマは、日本・アメリカ・EUの競争法について学習し、比較することでした。講義について特に印象に残ったことは三点あります。一点目は、近時の判例や経済情勢に関連するテーマが多く取り上げられたことです。例えば、コロナ禍が競争法に与えた影響をテーマとした授業では、不況に苦しむ企業を助けるために政府が援助できるように規制緩和を行うというEU圏内の動きが紹介されました。二点目は、先生方の多くは実務経験が豊富であることです。サマースクールで講義をして下さる先生は様々な立場から競争法に取り組んで来たため、実務における法の運用や将来の展望についての質問にも対応してくれました。三点目は、授業の素材です。サマースクールのテキストには、海外の判例・法律条文、Law Reviewの記事、アメリカのロースクールで実際に使われているケーススタディなどが使われており、これらを通読することでディスカッションに向けて準備することが出来ました。

 

次に、サマースクールにおいては、中国、韓国、シンガポールの優秀な学生たち及び社会人の方々が参加していました。海外の学生たちは、海外の判例等についてより具体的な知識を持っており、積極的に議論を引っ張ってくれました。社会人の方々は、学生とは異なった視点から、新しい問題提起を行ってくれました。彼らとの議論は私にとって大きな刺激となりました。

 

 最後に、オールイングリッシュの講義及び議論に参加して、自分の英語力が向上したと思います。法学部では、英語のみの講義を受ける機会はそれ程ありません。よって、サマースクールは、英語でアカデミックな議論を行う貴重な機会だと思います。

 最後となりますが、コロナ禍にもかかわらずサマースクールの開催に向けて尽力して下さった先生方及び事務スタッフの方々に、心より感謝申し上げます。