東京大学大学院法学政治学研究科・法学部

2023年サマースクールレポート その4

法曹養成専攻

サマースクール報告書

 

法学政治学研究科総合法政専攻博士課程 志田沙央理

 

 

今年度のサマープログラムは、ヨーロッパ及びアメリカ、アジアにおける会社法に関する内容で、対面・合宿形式で行われた。自身の専攻分野に関連した内容であったため、楽しみにしていた授業の一つであった。

海外のロースクール、弁護士の先生方による授業は、諸外国の会社法、またそれらを取り巻く環境に関する理解を深めるための良い機会となった。授業では、先生方が関心を持たれている事柄、具体的には株主アクティビズム、会社の目的、開示制度、コーポレートガバナンスやスチュワードシップ等に関する内容が取り上げられた。先生方は、事前にいくつかの予習資料を共有して下さるだけではなく、授業中も基礎から丁寧にわかりやすく説明して下さったため、英語での授業とはいえ、授業の大筋は問題なく理解することができた。各授業内容は、一見独立したものように思えたが、実は何かしらの重要なつながりがあることがわかり、広い視野から物事を見ることの大切さを考えるきっかけとなった。また、“日本の状況との比較”という点を意識して授業に参加すると、新たな気づきや示唆が得られた。なお、先生方とは、授業中だけではなく、食事の時間、授業後の自由時間にも話す機会があり、諸外国の法律や実務での運用、また個人的な研究に関する相談にのっていただき、非常に贅沢な空間の中で、有意義な時間を過ごすことができた。

また、サマースクールでは、他専攻や他学年の学生をはじめ、海外の学生、社会人など様々なバックグランドを持つ人たちとも交流することができ、貴重な経験になった。今回は合宿形式で行われたこともあり、休み時間や授業後には、クラスメートと、授業の振り返りをする機会もあった。その際、彼/彼女らは、議論を引っ張るだけではなく、自分では考えもしないような新たな問題提起を行なってくれたため、良い刺激を受けた。交流を通し、自分の知識不足を痛感した場面もあったが、意見交換をしながら学ぶ楽しさを味わえたことは、印象に残る出来事となった。

短い期間ではあったが、サマースクールでの学び・交流は、私にとって他では得難い経験となった。サマースクールは、夏季休暇中に開催されることから参加もしやすく、想像以上に多くのことを学ぶことができる貴重な機会であるため、来年度以降の学生の方々にも参加をお勧めしたい。

最後に、サマースクールの開催に向けて尽力して下さった先生方、事務スタッフ、宿泊施設の方々には、心より感謝を申し上げたい。