2024年サマースクール・レポート
法科大学院2年 山根尚泰
私がサマースクールに応募したのは、ほとんど触れたことのない法領域である競争法を比較法の観点から英語で学んでみたかったのと、プログラム期間中に新たに知り合った仲間と切磋琢磨し交流を深めたいと思ったからです。将来国際的に活躍できる弁護士になることを志す中で、本プログラムに参加した経験は私にとってかけがえのないものとなりました。
本プログラムは、6日間、本学の学生のほか、韓国、中国、シンガポール、オーストラリア、ベルギーの大学の学生ら、合わせて70名程度と、教授や実務家である世界中の優秀な教員らが一カ所に集まり、競争法について積極的に意見を交わしながら熱心に学ぶというものでした。競争法という切り口で、米国の反トラスト法、欧州の競争法、日本の独禁法、中国の独禁法について、比較法の観点から基礎から最先端の議論まで学ぶことができました。特に、近年のアメリカの大手テック企業に対する反トラスト法裁判や、プラットフォーム事業者に対する競争法規制のあり方、環境に対する配慮など非経済的な事由を正当化理由とすることができるか否かに関する議論などについては、とても刺激的な内容でした。休み時間中やご飯の時間などにおいては、多様なバッググラウンドを持つ学生や教員と交流する機会にも恵まれました。
また、私は本プログラムに先立って開催された日本法プログラムにも応募して、参加させていただきました。日本法プログラムは本プログラム開催日の前日に、それぞれの学生が、本学の学生を代表して、海外の大学のロースクール生3名と共に行動するというものです。日本法に関する講義に参加したり、最高裁判所の見学をしたり、東京と熱海間の電車での旅をともにすることなどをしました。私はソウル国立大学のロースクール生を帯同したのですが、ロースクール生としての生活、社会や法制度の違いなどをはじめとする会話を通じて、お互い非常に仲を深めることができる素晴らしい機会となりました。
私は、本プログラムを通じて、理想的な環境のもとで、新しい出会いがあり、仲間と切磋琢磨することができ、海外の大学の学生も含め、かけがえのない友人を得ることができました。同時に、優秀な学生と共に議論し学ぶ中で、将来、異なる法域の架け橋となって仕事する法曹として、得た経験を糧にしてさらに努力する必要があると実感しました。
あっという間ではありましたが、非常に充実したプログラムだったと思います。このプログラムは、各自の夢やプランを見据えて、忘れられない貴重な経験ができるとともに、通常の授業とは違った形で、法曹になるための基幹的能力を伸ばすことができる素晴らしい機会であると思います。
最後に、この場を借りて、本プログラムの企画や支援をしてくださった皆様方に深く感謝を申し上げます。